プロローグ
私の名前はメル・フォルシオン。今14歳で、明日には15歳になるの。
勇者のお父さん、巫女のお母さんは私が小さい頃から忙しくて、会える時間が短かかった。
中でもお母さんのしていた下界の話にはすっごく興味がある。
海があって、山があって、街があって、強い魔物とか、危険な洞窟とか―――
昔お父さんとお母さんが旅をしていた頃のお話は興味が湧くものばかりだった。
そして、お父さんとお母さんとの会えない時間、私のお世話をしてくれたのはメイド長で、天使族のジュリナ。
ジュリナはすごくて、私やポチがどんな怪我をしても全部治してくれるの。生まれたときから私の面倒を見てくれて、すごくいい人。
適性を持つ者が15歳になり、神殿で試練を突破し神から得られるスキル―――固有スキル
私にその才能がある、そうお父さんに言われた当初はまだ幼く、何となくすごいんだな、程度に思っていた。
でも今日は14歳最後の日。
今では自分の才能はしっかり把握してる。
使いこなせているか、と問われればまだまだだと思う。
ペットのポチや偶に遊びに来る魔王のぶーちゃんに試し打ちしたり、組み手してもらったりしてるから練習には事欠かないの。
明日、私は俗に言う成人になる。
私の家で成人式があって、私はそれの主役。
今日はもう遅いから、明日に備えて寝なきゃ……
◇
彼女の名前はメル・フォルシオン
勇者を父に、巫女を母に持ち、メイドは全員が天使族。
天空上に住まいを持ち、ペットのポチは聖獣。
異質な環境の中育てられた彼女はベッドでポチと共に眠る。
彼女の適性、その才能は戦闘における構えの才能。
あらゆる構えで状況を覆し、敵を、味方の状況をも変える。
―――誰にも負けぬ天賦の才能を持つ
それは戦闘、芸術、技術、美術、さらには盗みなど。
何でもありの、それでも右に出る者はいないほどの才能
人は適性を持ち、固有スキルを持つ者を総じて、神の使いと呼ぶ―――
未来、その名を轟かせるであろうその少女の物語が今始まる
自己満足のための拙作です。
評価、感想はガンガン受け付けていますが作者は豆腐メンタルなのであしからず笑