表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

エリーナ・レティリア

白いドレスのような服を着た女性が歩いている。

その姿はまるでバージンロードを歩く花嫁のよう、

だけど彼女が向かう先は神父や新郎ががまつ祭壇ではない。彼女が向かう先は自分の命をたつ断頭台。 周りには参列者ではなく、民衆が左右に並び

今か今かと待ちわびていて彼女に色々な罵声を浴びせているもの、また石を投げているもの、今の現状を未だに信じられず泣いているもの様々だ。


そんな死のバージンロードを歩く彼女の名は

エリーナ・レティリア

元レティリア皇国の王女である。

エリーナは今までの様々な悪事で裁かれ斬首刑が言い渡された。そして刑の執行が行われようとしている。


「この、悪女!」

「ずっと騙してたんだな!」


民衆はエリーナに様々な最後の別れの言葉を浴びせている。


「この嘘つき!」


その声と同時に1人の少年が石をエリーナに向かって投げた。

石がエリーナの頭に当たった。幸い血はででいないものの痛みが無いわけじゃない。縄で拘束されていて手が不自由でなければ防げただろう。

エリーナは石を投げた少年を見た。そして笑った。

その笑顔はあまりにも綺麗で断罪される前と変わらない民衆を思う笑顔だった。その笑顔が怖くなって少年は逃げてしまった。


エリーナは少年の去っていく後ろ姿を見えなくなるまで見届けた。そしてまた歩き出した。


1歩ずつ歩みを進めていく。堂々と胸を張って歩いていく。何も知らない人が見たら今から斬首刑にされるとは思えないほど凛々しく歩いていた。

そして遂に断頭台の前に着いた。あとは階段を上り

あのギロチンで切られるだけ。


兵士がエリーナを連れてこうとした時、エリーナは兵士を無視して階段を上り始めた。兵士は「またか」

と思った。エリーナはさっきまで歩いていた道も兵士を無視して勝手に歩き出していたのだ。

だから民衆は兵士がいないのをいいことに言葉だけでなく石などを投げていたのだ。もし兵士がいたら少年は逃げずにすんでいただろう。


だけど少年にとっては良かったのかもしれない

この後起こる事を考えれば、1人の人間の首が落とされる光景はあまりにも残酷だ。トラウマになってしまうかもしれない。


エリーナは断頭台の前に着いた。あとは目の前の木の枠に首を置いて兵士が紐を引くのをまつだけ。

そうすれば上にある光り輝く銀の刃がエリーナ首を落とすわけだ。


刃を見たエリーナは少し後ずさった。いくら気丈に振舞っているとはいえ彼女はまだ18歳だ。この国の成人年齢が17歳であるとはいえまだまだ子供だ。

自分の死がすぐそこにあると思うと怖くなるのは当たり前だ。ここで今日初めて兵士の仕事が出来た。

彼女の腕を捕まえ断頭台にセットする仕事だ。

エリーナは何も言わずに腕を捕まれそのままで断頭台に首をおかされた。


「最後に何か言い残すことはあるか」


兵士が聞いた。エリーナは


「あなたたちの未来が素晴らしいことを願うは」


これまたとびっきりの笑顔で言った。

今度は兵士が後ずさった。それは兵士だけどはなく民衆までもが感じた違和感。だかその違和感を確かめる前に無慈悲に刃はエリーナの首は宙に舞った。 刑が執行されたのだ。兵士が後ずさった時紐を離してしまったのだ。 エリーナの首が下にある籠に落ちても誰も動けなかった。さっきまであれほど罵声をあげていた民衆ですら言葉を失っていた。彼女の最後の言葉が皮肉なのかそれとも心から思っているのか誰もわからなかったから。

わかるのはもう喋ることのない彼女だけ……




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ