騎士団
私は抱きかかえられたまま、暫く進んでいった。数分たった頃、森の中に灯りのついた小さな建物があるのに気付いた。
その建物は、洋風の一軒家のような感じだ。建物の前で、私をそっと降ろしてくれた。
扉を開け、リーダー格の人が先頭に立ち、私はその人の後ろに付いていった。
「ミカリス様。森にこのような者が侵入していましたが、わが国の装飾品を持っており連れてまいりました」
「モモ、どうして?」
目の前に、驚いた顔のミロがいる。
「ミロー!」
思わず駆け寄り、彼の胸に飛びこんだ。ミロに会えて、ほっとしたせいか、涙が止まらまい。彼は、私が泣き止むまで優しく抱き寄せ、見守ってくれた。
少しの時間がたち、私はやっと落ち着いた。リビングのような広めの部屋の椅子に座り、これまでのいきさつを話した。
そして、ミロはさっきまでいた猫達に私の事を説明していた。いつのまにか、猫達は人間の姿になっている。猫が言葉を話していたのも不思議な事だったのに、ミロに慣れていたのか、私は何も違和感を抱かなかった。
「ミロ、この人達は?」
「俺の部下達で騎士団だよ」
「モモ様。先ほどは失礼いたしました。ミカリス様の恩人であるのに」
リーダー格が頭を下げていた。
「そんな。私を連れてきてくれたし、リュックだって持ってくれた。それに、ミロに会えた。お礼を言うのは私の方」
「私はセイと申します」
リーダー格の人が、丁寧にお辞儀をしながら名乗っている。セイはミロより背が高く、グレーの髪でがっしりとしている。猫の時は、毛が長く大型だった。
「モモ。セイは俺の右腕で頼りになるんだ。セイ、彼女を助けてくれてありがとう」
騎士団達の髪色は銀色っぽかったり、白っぽかったり、みんな淡いグレー系だ。この国の特徴なのだろうか。私は、敵国の髪色なのだと思う。
この建物は、森の中の隠れ家で、森を抜け山を越えると隣国に続いているそうだ。
さらわれたミロの妹を探すため、この拠点にいるらしい。
「この森の中で、妹の気配を感じるのだが、いまだに見つからない」
ミロは、沈んだ顔つきで言った。
「今日は、ゆっくり休むといい」
「うん。ありがとう」
「明日も妹さんを探すのよね」
「そうだね」
ミロの手をぎゅっと握っている私に、彼は優しく微笑んだ。
「今日は、この部屋を使うといい。おやすみ」
「おやすみなさい」
ミロに案内された所は、綺麗に手入れされた部屋だった。私は疲れていたせいか、ベッドに横たわるとすぐに眠ってしまった。




