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2.妹の捜索

 ミロの妹は、ミロと出会った公園近くに住む斉藤という一家と暮らしているはずだった。それが、斉藤一家は引っ越したのか今は違う家族が住んでいる。


「ミロ、私も妹を探すわ。モフモフを」

「モフモフ? まぁ、モフモフかな、ここでは……」


 ここでは……という言葉に少し引っ掛かった。


「ところで、ミロって名前は何?」

「小さい頃、好きだった飲み物の名前なの」

 フフッとミロは笑った。


 ミロの名前は、ミカリス・ミロー。案外、ふさわしい名前をつけたかもと、一人で納得した。


「ミロと呼んでいいのかな? 私はモモでいいよ」


「わかったよ、モモ。このまま、ミロでいいよ」

 モモって呼んでくれた……ありがとうございます。ミロ様。

 気分はミロの下僕となっている私だけれど、ミロの為に何とかしてあげたいという気持ちでいっぱいだった。


 明日は日曜だし、明朝から早速ミロの妹の捜索活動を始める事にした。



「おはよう、ミロ。さぁ、出発するよ」

「張り切ってるな、モモ」

 いつもと変わらず無表情なミロに微笑む私。だって、大好きなミロと一緒に二人だけの秘密の旅のようでワクワクしているのだ。


 ミロを担げるキャリーリュックを持参して、斉藤さんが住んでいた家に向かうことにした。

 ミロの体重は4.5キロほどある。ずっと担ぐのは大変だ。今は横で歩いてもらう事にした。

 身長150センチ程で、運動が苦手な私は体力に自信がない。けれど、根性はあるつもりだ。早くミロの喜ぶ顔が見たい。頑張るぞ。


 斉藤さんが住んでいた家の前に着いた。表札は山代(やましろ)

 ミロをリュックに入れ、ヨシッと自分を鼓舞しドアホンを鳴らすと、若い女性の声がした。


「突然、すいません。以前住んでいた斉藤さんを探しているのですが……」

 ドア越しに20代後半くらいの女性が、赤ん坊を抱きながら顔を出した。


「以前、住んでいた方よね。私は2ヶ月前にここに越してきたのよ」

 と初対面で猫を連れた女子高生に優しく答えてくれた。

 リュックに入れたミロを見て、「可愛い猫ちゃんね」とニコニコしている顔は、人が良さそうで、道など聞きやすそうな人だなと思った。


 彼女は斉藤さんの事は知らないけれど、近くの大家(おおや)さんなら知っているかもと、大家さんの自宅を教えてくれた。


「ミロ、次は大家さんの所に突撃するよ」

「モモは楽しそうだな」


「あ、ゴメンね。ミロはモフモフの妹が心配なのにね。でも、ミロにとって大事な妹は、私にとっても大切。絶対に見つけるから」

「ありがとう」

 ミロは小さな声で礼を言い、下を向いた。


 まっすぐ歩き、一つ目の信号を渡り、五軒ほど先を右に曲がり二軒目が大家さんの所だ。加賀谷(かがや)さん。日本家屋の立派な家。


「ミロ、ドキドキするね」

 心なしか、ミロも緊張しているように見えた。


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