14.出発
今朝は早めに目が覚めた。眠れなかったと言ってもいいかもしれない。
ルトネルド王国へ行って、上手く事が進むか心配だった。
それに、昨晩のミロとの出来事を思い出すだけで顔が熱くなっていた。
早く気分を切り替えないといけない。
ドアを開けるとミロが立っていた。
「あ! おはよう。ミロ、どうしたの?」
「いや、そろそろ起きたかなと思って気になって」
ミロは、ちゃんと眠れたのかな。
もしかしたら、私と一緒で寝不足なのかもしれないと思いクスッと笑った。そんな私を見ると、彼は気まずそうにしていた。少し照れているようで可愛い。
私達は、外に出た。少し肌寒いけど、顔だけが熱い。
「モモ……やはりルトネルド王国へ行くのはやめた方がいいと思う」
「心配してくれてるんだよね。私なら大丈夫だから」
この自信はどこからきているのか分からない。だけど、彼を助けたいという気持ちと、何とかなりそうだと勝手に思っていた。
「安心して。すぐ戻ってくるから」
「うん、待ってる。何かあれば、すぐに迎えに行く」
「ありがとう」
「ミカリス様、モモちゃん、朝食だよ」
レイクが呼びに来た。
「はーい」
心配そうなレイクに笑顔で答えた。
ダイニングにはニキアとリリシアがいる。みんなの緊張感が伝わってくる。
「ところでニキア。ルトネルド王国にはどうやって行くの?」
「それは、僕の瞬間移動能力で行けるよ」
「すごーい、テレポーテーションってやつ。どこでも行けるの?」
「まさか。自分の国に戻れるだけさ」
「それでもスゴイ。便利」
この移動はミロもできるようだった。特に魔力が強く訓練した者は、あらゆる所に瞬間移動できるらしい。
ミロやニキアは、自分の住まいや限られた場所にのみ瞬間移動できるようだ。
いよいよ出発することになった。
みんなが外に出て、私とニキアを見ている。
「モモちゃん、大丈夫だよね?」
レイクが目を潤ませ、心配そうに私を見ている。レイクは本当に可愛い。こんな弟がいたらなと思ってしまった。
ニキアがリリシアの両手を握り、しばしの別れを惜しんいる。
二人の姿や笑顔は、とても微笑ましい。本当に幸せになってほしい。
「モモ、気を付けて」
「ありがとう」
彼に抱きつきたい思いだったけれど、我慢した。みんなの前では無理だ。
「さあ、行こうか」
ニキアが、私の肩に手を置いた。
「うん。行こう」
私は深呼吸をして目を閉じた。エレベータに乗っているようなフワっとした感覚になり、一瞬で目の前の景色が変わった。
「ここがニキアの国なの?」
「そうだよ。ようこそルトネルド王国へ」
目の前にお城がある。中世ヨーロッパのお城のような雰囲気で、屋根は金色に輝いている。
今から、王様に会うんだと思うと緊張してきた。それに、お腹も痛くなってきた。しっかりしないと。私は、手が冷たくなっていた。




