教室にて②
「ウィルソン侯爵令嬢!」
同じクラスの令嬢が数人、メアリーとクロエの周りに集まってきた。
「エバンス公爵子息と、ブラウン子爵令嬢がご一緒に登校されてますわ!それもやたらと近い距離で!」
「ウィルソン侯爵令嬢という婚約者がありながら、昨日は街のカフェで、エバンス公爵子息がブラウン子爵令嬢をエスコートして個室に入っていくのを見たという者もおりますのよ!」
「目撃情報は多数ありますわ!」
『どういう事なんですの!?』
メアリーとクロエは、クラスメイトの迫力に驚いて言葉を失った。
ここは、貴族学園の淑女クラス。
女性だけのクラスのため、皆話しやすかったのだろう。
ここぞとばかりにたたみかけた。
「ちょっと皆さん、落ち着いて?」
クロエが、憤る彼女達を宥めた。
「皆さん、気にかけてくださってありがとう。」
「アスター侯爵令嬢、スタンリー伯爵令嬢、ブロワ伯爵令嬢、皆さん、お茶会にお誘いしてもよろしいかしら?」
「クロエ、あなたも。せっかくお家に誘ってくれたけれど、私の方から、皆さんと一緒に誘っても?」
「ええ、もちろんよ」
『私達も、喜んでお伺いします!』
クロエと3人の令嬢は、メアリーの提案を快諾した。
丁度その時、予鈴が鳴り、先生が入室してきた。
「帰ったら直ぐに招待状をお届けしますわ」
『お待ちしております』
そう言うと、全員席に着いた。
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