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ウィルソン公爵一家

ウィルソン公爵家のリビングでは、久しぶりに家族が勢揃いしていた。


王城で要職に就く公爵とサイラスは近頃多忙であったため、なかなかゆっくり帰宅することがなかった。

メアリーの母である公爵夫人は実家のある隣国に、久しぶりの里帰りをしていた。


しかし、この度の騒動の件で話をするために、父と息子は仕事を急ぎで終わらせ、あるいは放置して帰宅し、母は急ぎ帰国した。

それでも日数がかかってしまったのだが。


「メアリー。大体の話はサイラスに聞いている。こんな時にすぐに戻ってやれずにすまなかったな」


「メアリーよく耐えましたね。これからは家族みんなで解決しますわよ」


父母に温かい言葉をかけられ、メアリーは涙が出そうだった。

しかし、公爵令嬢の矜持でそれに耐え、礼を言った。


「お父様、お母様。私のためにお戻りいただき、ありがとうございます。お兄様もたくさん助けてくださってありがとう」


「可愛い妹のためなら、これくらいなんでもないさ。それに、お前の友人達が積極的に協力してくれたからね」


「ええ。全てが終わったら、改めてお礼をするわ」


「アスター家、スタンリー家、ブロウ家、そいてスミス家だったな。私からも文を送るとしよう」


公爵は流石に全て承知しており、今後の各家への便宜の事も考えていた。

しかし、まずは娘の事である。


「エバンス家に出している侍女から、フレデリックと件の令嬢がエバンス家の庭で睦あっていたとの報告があった。さらにフレデリックは明確に、メアリーとの婚約を破棄すると、令嬢に宣言していたそうだ」


メアリーは心に穴が空いたような気持ちになった。

もう諦めたはずだったが、やはりまだ割り切れない気持ちがあったのだ。

黙り込むメアリーを母が抱きしめた。


「メアリー、聞きたくなければ聞かなくていいのよ」


メアリーは母の優しさに包まれて、気持ちを持ち直した。


「大丈夫ですわ、お母様。お父様、続けてください」


「ああ。だが無理はするな。サイラスが聞いたところでは、夏至のパーティでの婚約破棄を目論んでいるようだな」

「フレデリックは優秀だが、爪が甘い。そしてプライドが高く周りが見えなくなる時がある。今がその状況なんだろう。だが、我々はあいつを許すことはできん。この舞台は我々が整えれやることにしよう」


「エバンス公爵はパーティの朝に到着するようですよ。ブラウン子爵はもう少し早く到着しそうですが、パーティまで娘に接触できないようにしましょう。親の預かり知らないところで事態は動いてしまい、そこに家の思惑などはないようですが、まだ学生の子の後始末は親にもしてもらいましょう」


ウィルソン公爵夫妻は頷いた。


「夏至のパーティには王太子殿下もお越しくださることになった。婚約者の変更もスムーズに行えるだろう」


サイラスの言葉に、公爵は渋い顔をした。

「そのことだが、メアリー無理にすぐに婚約しなくてもいいんだぞ。隣国に雲隠れしたっていいんだし…」


「父上、それでは老害どもにつけ入る隙を与えることになりますよ。それにアンドリューなら、間違いなくメアリーを大事にしてくれますよ。現に、毎日手紙や花を送ってくるし、暇さえあれば家にも来てるし。メアリーもせっせと返事を出したり、もてなしの準備を何度も侍女に確認しているし…」


「お、お兄様余計なことを言わないでくださいまし!もう、誰がお兄様に話したの!」


メアリーの珍しく慌てた姿と、真っ赤になった顔を見て、母は安心した。

こんな姿を引き出せるなら、サイラスの言う通りメアリーを大切にしてくれるかもしれないと思ったのだ。

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