フレデリック・エバンス
フレデリック・エバンスは幼い頃から公爵家の嫡男としてたくさんの教育を受けてきた。
しかし、現公爵の子供がフレデリックだけであったので、甘やかされて育ったといえる。
幼い頃は次期公爵として責任感に溢れていた。
1歳にもならないうちに婚約者を決められたが、その意味がわかるようになる頃には、この子は自分が守るんだと心に決めていた。
最初にフレデリックの傲慢さが現れたのは、メアリーとアンドリューが出会ったお茶会だった。
フレデリックはアンドリューがメアリーに惹かれていることに気がついた。
そして、優越感を覚えた。
アンドリューは優秀だというし、心根も優しい友人だった。だが、同じ公爵家でも彼は次男であるし、公爵を継ぐことはできない。
さらに好きになった女性を手に入れることはできない。
『全て僕のものだ』
それはフレデリックの自尊心を満たした。
その日からフレデリックは、友人だったアンドリューを見下すようになった。
表立ってそのような素振りを見せることはなかったが、聡い大人は気づいていた。
しかし、公爵になるには多少の自尊心は必要だし、問題ない範囲だろうと思われていた。
そうして、軌道修正されることなく育ったフレデリックは、だんだんメアリーのことも下に見るようになっていった。メアリーは特殊な家系ではあるが、この国では侯爵であり、自分の家系の方が上であると。
だが、メアリーのことは好ましく思っていたから、女性が喜びそうなやり方でプロポーズをした。
これで自分に従順になるだろうと考えていた。
しかし、メアリーはそこから、次期公爵夫人として一層勉強や、人脈作りなど様々な事に力を入れ始めた。
フレデリックがプライドが高く、別の貴族と揉めそうになったりすると、必ず諌めにきた。
教師の言うことを素直に聞けない時も、別の教師に呼ばれてとりなしに来た。
人望と優秀さで選ばれるはずの生徒会長に彼女が選ばれた。
そうすると、だんだんメアリーの優秀さや、自分に意見してくることが鼻につくようになっていった。
他者からの意見を素直に聞き入れることのできない人になっていた。
だから、あの夜会で、自分に従順で素直で可愛らしいサラに出会って、心が揺れてしまったのだ。
サラと一緒にいる時は自分が正しいと感じられて、心が楽だった。
だんだん、生涯を過ごすなら、彼女の方が楽だと思うようになっていった。
だから思ってしまったのだ。
メアリーはもういらないと。
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