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生徒会室にて①

「あなたの言葉に愛がない、ですって?」


メアリーの友人である、クロエ・スミスは、生徒会長の机に行儀悪く腰掛けながら、生徒会長の席に座るメアリーに問いかけた。


「お行儀が悪いわよ、クロエ」


メアリーは、クロエを見ることなく、机に積まれた書類を捌きながら答えた。


「いいじゃない。あなたしか見ていないのだから」


「そういう問題じゃないわ。今、礼儀のなってない誰かが急にノックもせずに入ってきたら、そのお行儀の悪い姿も、綺麗な足も、見られる事になるわよ」


「そんな愚かな者、この生徒会室に出入りできる人にはいないわよ」



【バタン】



「なあ、メアリー、あいつはいったい何を考えて…るん…」


「……いたわよ、愚か者」


メアリーの普段より低い声が響く中、アンドリューが顔を出した。


クロエは、慌てて机から降り、メアリーの後ろに隠れた。


「わ、悪い、つい、勢いで開けてしまって…」


「…見た?」


「み、見てない!足なんて!」


「見てるじゃない!」


クロエは真っ赤になって怒りだした。

この、貴族の世界では、女性が素肌を見せるのは夫だけ。それ以外に見られるのはとても破廉恥な事だとされている。


「だから、言ったじゃない」


メアリーは、ようやく書類を書き上げ、顔を上げた。


「クロエは油断してそんな所に座っているのが悪いのよ。淑女教育を忘れたの?」

「アンドリュー様は、女性がいると予想しているのに、ノックもせずに入室するなんて、紳士の風上にもおけないわ」

「2人とも、マナーのスーザン先生に、もう一度淑女や紳士としての心得を習った方がよろしいのではなくて?」



『ご、ごめんなさい……』



クロエもアンドリューも、返す言葉もなく、謝罪するよりなかった。

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