王太子と側近
「サイラス、メアリー嬢とフレデリックの件は守備よく進んでいるのかい?」
王太子の執務室で、書類に目を通していたサイラスは、手を止めて王太子の方を向いた。
「殿下のおかげで、良い結末を迎えることができそうですよ」
「フレデリックはバカをやったな。ウィルソン家を敵に回して良いことなんて何もないだろう」
「恋とは盲目なんだそうですよ」
「それ、メグが言ったんだろう」
王太子、アルフレッド・オベールは揶揄うように言った。
メグと呼ばれたのはマーガレット・オベール。この国の王女である。
サイラスの婚約者であった。
「そうです。阿呆のする恋は盲目であると、辛辣なことを言ってましたが、その通りだと思いますね」
「お前たちは現実的だからな。それぞれ似合いの2人なんだろうよ」
アルフレッドは戯けて言ったが、フレデリックに関しては嫌味なんだろうと、サイラスは思った。
「殿下、陛下の説得はうまくいくでしょうか?」
「問題ない。先人の意見というのは参考になることも多いが、何でもかんでも聞き入れていては国が回らん。まあ、辺境伯家には悪いが、本当にタイミングが良かったな。全てが丸く収まるのであれば、事なかれ主義の陛下にとってはそれが1番いいのさ」
「正直、今のフレデリックにエバンス家を任せられるのかは甚だ疑問だが。エバンス公も頭の痛い事だろう」
「そろそろエバンス公にもブラウン子爵にも文が届いているでしょう。今頃慌てて王都に向かっているでしょうね」
「子の後始末は親にも参加してもらわねばな」
「舞台は学園の夏至のパーティのようですよ」
「スミス家の令嬢からの知らせかい?」
「ええ。彼女は友人思いで、とても有能ですよ。他国に行ってしまうのが惜しいですが、誰よりも適任であるとも言えますね」
「さて、どうなるか、楽しみだな」
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