サイラスとクロエの話
「策士ですわねえ」
令嬢達3人を先に帰し、クロエはサイラスと話をしていた。
「何の事かな?」
「あの3人はメアリーの事を崇拝していますし、メアリーの為なら大抵のことはしてくれるでしょうから、彼女たちのご家族を抱き込んでしまおうというおつもりでしょう?」
「さすが隣国こ次期宰相の奥方になる女性だね」
「話をそらさないで下さいませ。アンドリュー様のお家の事も、何か絡んでいらっしゃるのでは?」
「流石に、それはないよ。まあ、テイラー公爵閣下が憂いなく後継をアンディに出来るように口添えはしたけれどね」
「正直申し上げて、武に長けたアルバート様は公爵家よりも辺境伯家に入られた方が宜しいかと思いますわ」
「スミス家のご令嬢に、隠し事はできないなあ」
「優秀な侍女がおりますから」
「アルバート様はいずれ騎士団長になれるだろう実力の持ち主だからねえ」
「王太子殿下のご意思ですか?」
「適材適所だよ。さすがに、辺境伯の後継の病は予想外だったが、まあ彼も辺境伯は荷が重いと思っていたようだからね」
全ては、王太子殿下と、次の宰相と言われているサイラスの手のひらの上なのだろうと、クロエは思った。
「メアリーの幸せはどこに?」
「どちらと一緒になるのが、傍から見て幸せなのかは一目瞭然だろう。想像通り、遅かれ早かれアンディは公爵家の後継になっていただろう。けれど、フレッドがああならなければ、アンディとメアリーが結ばれる未来はなかったさ」
「けれど、フレッドは結局メアリーを大切には出来なかった。メアリーの話に真摯に耳を傾けなかった。そして、メアリーときちんと会話をしなかった」
「愛がなかったのはいったいどちらだろうね?」
サイラスは冷めた目をして話した。
クロエとサイラスも幼少期からの付き合いであるから、気心知れた相手とあって、サイラスも饒舌になった。
「アンドリューがメアリーを本当に大事に思っているのは私も知っています。本人は隠してるつもりだけど、多分近い人はみんな気付いてると思います。きっとメアリーを幸せにしてくれると思いますわ」
「だけど、気丈に見えても、きっとすぐに気持ちを切り替えるのは難しいと思いますわ。クールに見えて繊細ですもの」
「ああ。俺も気にかけるが、何せ人使いの荒い人の所で働いているから忙しくてね。クロエ嬢もメアリーを支えてやってくれないか?」
「もちろんですわ」
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