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ウィルソン家の庭にて②

「ごめんなさい」


アンドリューがハンカチを差し出すと、メアリーは謝りながら受け取った。

メアリーは涙を拭きながら話を続けた。


「あなたの言う通り、私なりにフレッドの事を大切に思っていたし、フレッドと結婚する未来を夢見ていたわ。だけど、全部伝わらなければ、全然意味ないわよね」


メアリーは力無く笑った。

アンドリューはまた静かに聞いていたが、ゆっくり話し始めた。


「君は、フレッドとの関係をもう一度やり直したいと思う?」


「いいえ。不思議とね、悲しい気持ちはまだあるけれど、まだ彼と結婚したいという気持ちはもうないの。薄情かしら?」


「いや、普通の感覚じゃないかな。俺だったら、もっと怒ると思うよ。というか、今俺はフレッドに対してかなり怒っている」


アンドリューが本当に怒っているのが伝わり、メアリーは笑った。


「どうしてあなたがそんなに怒るのよ」


「俺はずっと、フレッドが羨ましかった」


「どうして?」


アンドリューはメアリーを見つめて言った。


「君と結婚できるからさ。俺は、初めて会った時から、君のことが気になって仕方なかった。すぐにフレッドの婚約者だと知って、諦めようと思った。だけど、フレッドのために、自分のために、いつだって頑張っている君を見て、なかなか気持ちに踏ん切りがつかなくて…女々しいだろ?」


最後は戯けながら言ったが、その真剣な言葉にメアリーは驚いた。

アンドリューからそのような気持ちは感じなかったし、思いもよらなかったのだ。


「勿論、誰にも気付かれないように気を付けていたよ。不毛な恋だからさ。まあ、サイラス卿と多分父上には気づかれていたみたいだけどな」

「すぐに俺をそういうふうに見てくれとは言わない。ただ、もし、俺との婚約を考えてくれるなら、俺が間違ったことをしそうになったら意見をしてほしいと思うし、メアリーが悩んだ時には一緒に解決したいと思う。そうやって助け合える関係になりたいと思うんだ。どちらか一方が強くなる関係じゃなくて、支え合える関係になりたい」


「うん…ありがとう」


アンドリューの真摯な気持ちが伝わって、メアリーは再び涙を流した。


「今はとても混乱していると思うんだ。俺も実は混乱してる。こんな形で気持ちを伝える事になるなんて思わなかったし、墓まで持っていくつもりだった。でもこのチャンスを逃したくないとも思う。俺の気持ちは年季が入っているから、信用してくれていいよ」


わざとふざけたように言ったアンドリューの言葉には気遣いが溢れていると感じて、メアリーは気持ちが暖かくなるのを感じた。


「ありがとう。フレッドとこのままって言うのはもう無理だと思うし、多分、アンドリューと再婚約するって事になると思う。その…まだ好きとかそういう気持ちになれるかはわからないわ…でも、あなたの気持ちが嫌だとかは思わないの。だから…」


「大丈夫。それが普通かなって思うよ。現実と感情は違うだろう?もし、いつか俺に気持ちが向いたら、俺のことをアンディって呼んでくれるかい?」


アンドリューが戯けて言うので、メアリーは笑って頷いた。

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