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お茶会にて③

『もちろんですわ!』


お茶会の席は一瞬静まり返ったが、すぐに令嬢3人が声を揃えて応えた。

しかしクロエは頷きながら、問いかける。


「私も勿論協力致しますわ。ですが、いったい何をなさるんですか?」


「フレデリックは、特にブラウン嬢との仲を隠すつもりはないようだ。エスコートしたりちょっと2人きりになったくらいで咎められるのは間違っていると言っていたそうだからな」

「そこで、そういった状況にできるだけ遭遇して、苦言を呈してほしい。あくまでも婚約者がいる身でそういったことをするのは常識はずれだということを穏便に伝えてほしいんだ。なるべく人目に付くようにして」


「それで態度を改めるでしょうか?」

オリヴィア・アスター侯爵令嬢が訝しげに聞いた。


「アスター嬢のいう通り、そんな事で態度を改めるくらいなら、最初からこんな事をしでかしたりしない」

「俺が望んでいるのは、改心じゃなくて今以上にやらかしてくれる事だからね」


「なるほど、私たちが諌める事によって、さらに頑なになって、2人の世界を作り上げてもらうわけですね」

エマ・スタンリー伯爵令嬢が言った。


「さすが、博学のスタンリー伯爵家のご令嬢だね。その通りだよ。そして、苦言を呈してくるのが、婚約者の友人であると気付けば…」


「婚約者が邪魔になる」

グレース・ブロワ伯爵令嬢が呟いた。


「その通り!フレデリックのことだから、そうなったら婚約破棄だとか言い出すと思うんだ」

サイラスはとても楽しそうに、しかし目が笑っていない様子で言った。


「確かに、今のフレデリック様の雰囲気だと、その流れはありそうですが…」

「メアリーの気持ちは?あなたはそれでいいの?あんなのとこのまま結婚するのは反対だけど、婚約が無くなった後はどうするの?フレデリック以外に立場的に許される婚約者候補もいないじゃない」


全員、メアリーに視線を向けた。

今まで黙っていたメアリーが、静かに口を開いた。


「私は、幼い頃から、フレデリック様と結婚するんだって思って、次期公爵であるフレデリック様の横に並んで恥ずかしくないようにと努力してきたつもりだった。でも、今のフレデリック様と共に人生を歩む未来は見れない」

「でも…クロエの言うように、王陛下に納得していただける代替え案は思いつかなくて…」


「そこは心配しなくていい。王太子殿下に相談して、すでに新たな婚約者候補は考えてある。王太子殿下は妃殿下を溺愛しているからね、不貞を働くような男はお嫌いなんだよ。まあ、メアリーの気持ちもあるが、俺はメアリーも彼なら、嫌ではないんじゃないかな?」


サイラスはそう言いながら、今まで黙って隣に座っていた、アンドリューの肩を叩いた。


「メアリーの婚約者の条件は、メアリーと歳が近くこの国の次期公爵であることだけだからね」

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