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17 コルネたちの道中

17、コルネたちの道中


 コルネは考えていた、あしたパパロッティ(パス(足跡)の老人)がケアールの捜索に出ることになっているが、ケアールを見つけるのは多分難しいだろうと。というのも、他のパス(足跡)同様パパロッティも年寄りだし、加えてその力が「常道」だからだ。常道と言うのは、動物などがいつも通っている道筋が見える力で、罠猟にはうってつけだが、ふらりと現れた動物を見つけるのには向かない。いつも通っている道筋が見えるのであって、一回しか通ってない道は見えない。もちろん歌を使って足跡を追うことはできるが……。でもパパロッティはそれが苦手だ。

 なんでそのパパロッティが選出されたのかといえば、まだ足腰が丈夫だからだ。

 たとえばアンスールなら上手にケアールを追えるのだが、彼はいつぎっくり腰になるかわからない。ほかのパスの年寄りたちも似たり寄ったりだった。

 コルネは本当は自分が出るべきだと思った。自分なら易々とケアールを見つけることができるだろう。しかし、パス衆は子供を危険にさらさないと言ってコルネを出そうとはしなかった。

 こういうときに、コルネを保護しようとする大人たちを説得することは無理だと言うことをコルネはよく承知していた。コルネがわがままを言って服や食べ物を要求すればパス衆の誰かがきっと持ってきてくれるが、逆にコルネに少しでも危険があるとわかればパス衆はがんとしてコルネの言い分を聞くことはない。コルネは体験的に良く知っていた。

 そこで、大人たちの前では極力いい子でいることにして、みんなが出払った後、行動を起こすことにした。

 コルネの祖父のアンスールの家からもう少し街中に入ったテラスハウ(集合住宅)に、コルネは住んでいる。父親はセッコ(石と骨)でレンズ職人として働いているので、その工房の二階に住んでいるのだ。ちなみに母親は出奔していない。

 隣はコルネの父親の同僚のセッコ(石と骨)が住んでいて、コルネと同い年の少年がいる。ビアッジョだ。ビアッジョもセッコ(石と骨)で、いつも奇妙な実験をしている。頭が良く物知りで手先が器用だ。二人は同じところに住んでいながら境遇は全く違った。ビアッジョは優しい両親がいて、みんなセッコ(石と骨)の職人。コルネは片親だがパス(足跡)衆の寵愛を受けて育っている。ビアッジョはよく喋り、いつも自分の新しいアイディアのことを考えているが、コルネは無口だった。

 コルネにとって、ビアッジョがしゃべってくれると助かる。コルネにとってはいい友達だった。最近では良くなったのだが、コルネはもう少し幼い頃はどんどん見えて来る足跡や軌跡を見るのに忙しくて、生きてる人間と話すのが大変な時もあった。その時もビアッジョは辛抱強くコルネの相手をしてくれたものだった。コルネはこの一家が好きだったので、最近では罠猟で取れた獲物をお裾分けするようにしていた。

 コルネが壁を決められた通りのやり方でノックすると、しばらくしてビアッジョがジョージョー(いたずら小人)のモンタと共にやってきた。モンタはその隣に住んでる同い年の少年だ。

 モンタもまた、二人と仲がいい。モンタの家もモンタ以外はセッコばかり。セッコにはジョージョーは機械の故障を起こすと言われていて嫌われやすい。ジョージョーは数も少ないこともあり、同様に数の少ないパスのコルネの気持ちをわかってくれる友達だった。少し考えの足りないところはあるが気の良い少年だ。

 さて、いつものように三人揃ってたところで、コルネが話を始めた。


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