シキの帰宅までの道のり
〈シキ〉 side
ふぅ~いろいろあったがやっと家までたどり着けた。
ん?何?ぬいぐるみ運ぶだけでなんでそんなに疲れているのかって?
その後大変なことがあったんだ…
実は、
サナが用事かなんかで行ってしまってから、鋼鉄ぬいぐるみはあいつらが手伝ってくれないから俺が持っていかなければいけないことになったんだよな。
しかもあんなでけぇぬいぐるみ担いでるから道に出たら、変な目で見られた。
泣きそうになりながらもがんばってサナの家まで持ってきたんだぞ!(ちなみにアルとフレインは見知らぬ顔で道の端を歩いていた。くっそ~あいつら(怒))
まぁでもそれだけならまぁいい。 だが…
三人でサナの家に入ると、おびただしい空気が広がっていた…
この瞬間わかった。
なぜこんな空気になっているのかを。
そして俺たちは一刻も早く逃げ出そうとしていた。…だがもう遅かった。
「あらシキちゃん!どうしたの?」
・・・悪魔の声が聞こえた。
おそるおそる振り向くと、まだ20歳代のようなきれいでサナに似た女性がいた。
「こ、こんにちわ サ、サーニャさん。」
この人はサーニャ=リグリーンさん。サナの母親だ。俺は昔からお世話になっている。この人は優しくて何でもできる万能な人なのだが、ひとつだけ欠点があって、
「うんこんにちわ。で、今日はどうしたの?」
「いやぁサナに、た、頼まれてこれを届けに着たんです。」
「そうなの。ありがとう。じゃぁお礼させて!」
「お、お礼って何でしょうか?」
俺は恐る恐る聞いてみた。
「今ちょうど夕食を作ったところなの。一緒にどう?」
死亡フラグだ~~!マジでどうしよう!?
そう、このサーニャさんは何でもできるのだがひとつだけ欠点がある。それがこの料理だ。
これまでサーニャさんは、油が浮いてる赤いスープ、何かわからない目玉のチャーハンなどなど理解不能な食べ物を作ってきたのです。俺もその毒に何度もやられてしまいました。
でもそんなものを毎日食えるものではないので、いつもはサナの父親のナウラさんが作っているのだが、気まぐれで作ることもあるのだ。
そういえばアルとフレインもあれを食ったことあったな… とか思って周りを見ていると、
「ん?あれ?あいつらは?」
「あぁアル君とフレイン君なら用事があるからって先に帰って言ったわよ。あ、あと二人から伝言で「お悔やみ申し上げます」だって。それってなんなの?」
あ・い・つ・ら~逃げやがったな~
「さあ食卓に行きましょうか。」
「いや俺もちょっと用事が「ないわよね?」 ……はい。」
言い方は優しいのだけれどなぜかオーラが見えて逆らえなかった…
そして俺とサーニャさんは食卓へと向かった。
「あれ?ナウラさんは?」
今だったらたぶん居るはずなのに。
「あの人はそこよ。」
サーニャさんが指差したところにはテーブルの横に倒れたナウラさんがいた。
「食べた途端になぜか寝ちゃったのよね。なぜかしら?」
俺は冷や汗をかいた。ん?まだナウラさん意識があるみたいだ。
なんか言ってるな。なんだろう?聞こえないな。よし、読唇術。えーと に・げ・ろ 。
…………………………………。
「あ、そうそう。サナ今日帰らないから二人分食べてね。食欲旺盛だろうから大丈夫よね♪」
…………………………………。俺は死を覚悟した…。
俺は何とか逃げ出し、この冒頭に書いてある俺の家まで来れたのである。(少し食べさせられたので頭痛や吐き気がするが。)
それにしても今回もすごかった。マルガル(サルのような魔物)尽くしだった。
マルガルの目玉の入った赤い汁(血?)がはいってるご飯?のようなもので始まり、マルガルの爪煮にマルガルの頭の丸焼きにマルガルの脳のシャーベット、などなど。
マルガルの頭なんて少し悲鳴が聞こえてきた…
マルガルって結構凶暴なのに俺一生倒せないかも知れねぇ。哀れすぎて…。
さぁそんなこと忘れて家で寝ようと思っていたら、ドアから誰か出てきた。
「おお!(あら!)シキ!(シキちゃん!)久しぶり!」
この息ピッタリなのは俺の両親であった。
「あぁもう帰ってきたんだ。」
両親はリゾート地区まで行ってたんだ。もちろん観光。
「そりゃ三日後には高校に移ってそこで暮らすんだからな。少しくらい早く着ておかないとな。」
実は学校の位置は同じなのだが高等部に入ると学生寮に入らなければいけないことになっている。なんでも魔術を集中して学ぶためだそうだ。
「おまえもう用意はできたのか?」
「あぁ大丈夫だ。父さんも武具屋しっかり経営しておいてくれよ。」
「あぁわかった。そうだこれから食べに行くんだが一緒にどうだ?」
「俺はいいわ。サナの家で恐怖見てきて気分悪いから。」
「あぁあれ作ってたんだなサーニャさん。それでナウラは?」
「ナウラさんは…倒れていた。」
「そうかあいつも大変だな。まぁお前も休んでおけ。」
「あぁわかった。それじゃあ中入ってる。」
そういって中に入ろうとしたとき、
「シキ。」
と呼ばれた。
「あの仕事はちゃんとできてるか?」
「あぁ一応。でもまだあいつらは動いてないみたいだ。」
「そうか。だがそろそろ三十年たつ。そろそろ動き始めるはずだ。俺はもう無理だ。もうお前らに任せてるんだからな。」
「あぁしっかりとあいつを守るよ。」
そういい残し中に入った。
あぁ頭痛くなってきた。早く寝よ。
と思ってたのに今度は[フォン]が鳴った。
「はい。」
アレ?声が聞こえてこないな。
あぁこっちか。
そう思い、仕事用の[フォン]をとる。
「俺だ。」
「あいつに俺だってのはばれてないな?」
「そうか。まぁあいつに言っても俺だとはわからないだろう。後何か用があったんだろう?」
「そうかわかった。二人にも伝えておく。じゃあな。」
ふぅ~また仕事か。あいつらにちゃんと伝えておかなきゃな。
「ぐぅぅぐぅ~ や、やはりまだ頭が痛い。今度こそ早く休もう。」
いろいろあってもうそんなに早くはないのだが、俺は休むことにした。
大将です。
今日は意味ぶかな発言がいろいろありましたね。
さて父が言っていた、こととは何なのか。
最後の電話は誰からかかってきて、どんな内容なのか。
まぁ電話はわかる人もいると思うんですけどね。
あ、あとこれで一日目終わりです。
長かったぁ~。
今度は高校に入学しますので、よろしく。
あいかわらず更新スピードと展開は遅いのですが見守ってやってください。
あ、あと感想どんなものでもお待ちしております。
誰か送ってきて~
ではでは大将でした~