似顔絵
「ガビー!見て!お兄様の似顔絵描いたの!似てる?」
「キュルキュル」
「だよね!上手だよね!えへへ」
アストリアはアタナーズの似顔絵をガビーに見せる。ガビーは上手だと言うかのように何度も頷いた。
「ガビー、お兄様のところに一緒に行こう?」
「キュルキュル」
ガビーはアストリアの隣をゆっくりとのそのそ歩く。本気を出して走ればかなり早いはずだが、ガビー本人はのんびり屋さんなのだ。
「ガビー、今日は天気がいいね」
「キュルキュル」
「お兄様に似顔絵あげたら、二人でお庭に行こうか。陽の光を浴びながら、お野菜たくさん食べようね」
「キュルキュル」
アストリアと共にのんびりとした時間を過ごすガビー。その表情は、とても幸せそうなもの。アストリアも、そんなガビーにとても癒されている。
「お兄様ー!」
「アストリア。おや、ガビーも一緒だね」
「キュルキュル」
足元にすり寄ってくる可愛い妹とその小さなお友達に、アタナーズは気を良くする。
「あのね、お兄様の似顔絵を描いたの!あげる!」
「わあ…!上手だね、アストリア」
「えへへ」
「これは額縁に入れて飾っておくね」
「うん!」
アタナーズはアストリアの頭を撫でる。するとガビーも自分も撫でろと頭を押し付けてくる。
「あはは。ガビーもありがとう」
アタナーズがガビーの頭を撫でてやれば、ガビーは満足そうに目を細めた。
「じゃあお兄様、また後でね」
「うん。お仕事が終わったらすぐに会いに行くからね」
「はーい!ガビー、行こう?」
「キュルキュル」
ゆっくりのんびりと歩いて執務室を出て行くアストリアとガビー。アタナーズはそれを微笑ましげに見送った後、妹ブーストを発動してものすごい集中力で仕事を片付けた。
「見て見てガビー!庭師のおじいさんが摘んだお花でブーケを作ってくれたよ!」
「キュルキュル」
「ね、可愛いよね!…あ、そうだ、ガビー。お野菜食べようか!」
「キュルキュル!」
アストリアがガビーにそっと野菜を差し出す。ガビーはゆったりした動作で食べ始めた。
「えへへ。ガビー、美味しい?」
「キュルキュル」
「可愛いね、ガビー」
「キュルキュル!」
アストリアはのんびりもそもそ野菜を食べるガビーを撫でながら話しかける。
「そういえばカピバラって、遠くの国の言葉で草原の支配者だったっけ?調べたんだよ!」
「キュルキュル」
「ガビーは偉いんだねぇ。お兄様とおんなじだね」
「キュルキュル」
「私もなにか、すっごい力があればなぁ」
そう言うと、少しなにかを思い出しそうになって首を振る。
「…すっごい力なんてなくても、大丈夫だもん。なんでそんなこと思ったんだろ」
「キュルキュル」
少しだけ顔が青ざめたアストリアに、ガビーが食べるのを中断して顔に頬を擦り付けた。
「きゃっ!…ふふ、どうしたの?ガビー」
「キュルキュル」
「ふふ、ガビーったら甘えん坊なんだから」
そう言いながら笑うアストリアに、ガビーはホッとしたようにまた野菜を食べ始めた。