幼き聖女な皇女様
「アストリア、来週にアストリアが聖女様になるって発表していいかな?」
「うん、いいよ!」
聖魔力を発現した皇女は、聖女という特別な称号が与えられる。急遽来週、貴族達を招集してアストリアの聖女認定式を行うこととなった。
「アストリアは聖女様のお仕事がわかるかな?」
「うん!病気や怪我を治してあげたり、結界を張ったりする!」
「そうだね。アストリアは賢いね」
アストリアは大好きな兄に褒められてご満悦だ。
「聖魔力は使えば使うほど力が強くなる。だから、最初のうちは平民達の小さな怪我や風邪などの軽い症状を治すところから始まるんだよ」
「頑張るね!」
「うん。それでね、一つお願いがあるんだ」
「なに?」
「その時には必ず、ガビーも連れて行って欲しいんだ」
意外なお願いにアストリアは目をパチクリする。そして笑った。
「うん、いいよ!」
こうしてアストリアが聖女認定式を受けることが決まった。
「アストリア、こちらに」
「はい!」
貴族が国中から集められ、厳かに聖女認定式が行われる。
貴族達が見守る中、アストリアはガビーを引き連れてアタナーズの前に立つ。
「これより、汝を聖女として認定する。よく励み、国を守護せよ」
「はい!」
そして聖女として認定されたアストリア。聖女専用の冠を授けられて、出来る限りきりっとしてみせた。誰がどう見ても可愛いだけではあるが。
その瞬間に起こった万雷の拍手、喝采、それに内心ドキドキするアストリア。しかし最後まで堂々とした態度を貫いた。
そして聖女認定式は無事に終わり、アストリアは正式に聖女となった。早速明日から、聖女としてのお仕事が始まる。




