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蛇眼破り  作者: 石笛 実乃里


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第137話 第8章「侵攻の足音」その24

「いざとなったら一刹さまたち成錬派(せいれんは)の蛇眼族が護って下さる。今日もそうだっただろ?」

「そうだな。雪音ちゃんもそうだもんな」

「その通りだ。俺たちは雪音ちゃんの幼馴染(おさななじみ)だ」

「なあ蒼馬…」

康太が不意に表情を変えて蒼馬を見据えた。

「おまえ、俺とのガキの頃からの夢を覚えてるか?」

「…夢?」

「ああ。いつか一緒に海に出ようっていう…」

「ああ、その話か」

蒼馬は少し笑った。

良かった。康太は立ち直ってきているようだ。

「でもいまだ海にも霧の領域がいっぱいあって、海龍(かいりゅう)たちが待ち構えてる。常人も蛇眼族も列島の島々を行き来するので精一杯でそれより先の外海(そとうみ)には出れていない」

「だからさ」

康太は訴えるように言った。

「いつか俺たち普通の人間も本当の自由と独立を手に入れるんだ。そして最後には俺たち普通の人間だけで霧の領域も海も自由に旅できるようになるんだ」

「そうだな。そしたら一緒に船に乗って海を旅しよう。おっと、それより前に…」

「え?」

「この(めし)を食い終わらないか?」

「そうだな」

康太は笑った。

蒼馬は彼が立ち直ったのを見て安心した。


結局土塁(どるい)の撤去作業にはあと二日間を要した。

北練井から作業員として徴集された常人の男たちの指揮にはその二日間を通じて北部の武家である白瑞(はくずい)源一郎(げんいちろう)が当たった。

彼は真叡教成錬派の名において常人を蛇眼で使役することなど決してしなかった。

北練井の常人たちもその想いに応えてかよく働いた。

だから初日に赤間康太に起こったような騒動も起こらず、土塁は完全に撤去された。

北の大門は再びむき出しで大きな口を開けた。


そうして第四次北方侵攻計画の準備が整ったのであった。

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