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勇者が魔王で魔王は魔王  作者: かじしょー
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第二の魔王誕生編 1-4 第二の魔王誕生

よろしくお願い致します。

アークが祠でティーナというフェアリー族の女の子と仲間になり、村に帰ろうとしていた時、突然イーライがやって来て村の危機を伝えた。アークはみんなの居場所について聞いたその時、どこからともなく声が聞こえて来た。


「どこにもいねぇよ」


3人は声のした方に向くと、そこには上半身裸のガタイの良い男が立っていた。


「ん、どっちが勇者だ?」

男は、相手のスキルを覗き見る【アビリア】の魔法をアーク、イーライに使った。

(お、この聖の力は!しかし聖の力の奥に何か別の力を感じるぞ…いやでもこれだけの聖の力は間違いない。)

「お前が勇者だな、やっと見つけたぜぇ」


男はアークが勇者だと見極めた。


「村中探し回っても見当たらないと思ったらこんな所に居やがったのか」


「な、何だお前!!村中探し回ったって父ちゃん達はどうしたんだよ!!」


「俺は〈ドドンゴ〉って言うもんだ。父ちゃん?どれが父ちゃんかわからねぇけど、とりあえず全員ぶち殺してやったから、お前の父ちゃんも母ちゃんもそっちの勇者くんの父ちゃんも母ちゃんも全員首を()ねられてくたばっちまったぜ」

ドドンゴはまるで面白いものを見るかのように2人の顔を見ながら大笑いした。


「嘘だ!父ちゃんが負けるわけない…」

「お父さん、お母さんが死んじゃったってどう言う事?みんな逃げたんでしょ?ね?イーライ?嘘だよね?どう言う事?ね、イーライ?」


アークは混乱して、パニックになってしまった。


「アーク、ちょっと落ち着きなさいよ」


ティーナがアークの周りを飛び回り落ち着かせようとしていた。


「しょうがねぇなあ、村まで連れてってやるからテメェらの目で見てみろよ」


ドドンゴは転移魔法【テレポート】を使ってアーク、イーライ、ティーナを連れて村にワープした。


3人は村に到着すると、そこには見るも無残な光景が広がっていた…。

カザン、アイラやロン、キャロルを始め村人全員の死体が集められて転がっていたのだった。


「うわぁぁぁあ!!!父ちゃん、母ちゃんー!!」

「そんな、なんで…お父さん、お母さん、嘘でしょ…」

「ひどいわ…酷すぎる」


「勇者見つけたぜ、〈メンザス〉の旦那ぁ」

ドドンゴはフードを被った男にアークが勇者であると報告をした。

「あれ、〈グリム〉の奴はまだ炭鉱から帰って来てないんだな。

全く。手分けして探しに行って、俺が先に勇者見つけちまったんだから、炭鉱にはもういねぇって言うのに。とっとと帰って来やがれってんだよ」


メンザスがアークにゆっくりと近寄る。


「勇者よ、お前は本来勇者として生まれてくるはずではなかった。我々の仲間として迎えに来るつもりであったが、何故かお前は勇者として生まれてしまった。

残念だが、仲間ではない以上殺すしかない。死ね」


メンザスはマントの中から細い手を出し、手のひらをアークの方に向けた。


すると手のひらから禍々しい黒い光が現れ、その光が弓矢の形に変わっていった。

次の瞬間、その弓矢は一直線にアークに向かって凄まじい速さで飛んで行った。


そしてそのまま胸に突き刺さってしまった。


「グッ、グハッ…」


しかし刺さったのはアークではなく、咄嗟にアークの前に出て庇ったイーライの胸に刺さっていた。


「イーライーーー!!!」

「ア、アーク、逃げろ…俺が時間を…かせ…ぐから…早…く……」


イーライは力尽きその場に倒れてしまった。


「イーライ!イーライッ!!」


「ガハハハハ。いやぁ、仲間思いだねぇ。まあもし逃げてもそのまま逃がすわけないけどな」


ドドンゴが笑いながらアークの方に近づいて来た。


アークは動かなくなったイーライの体を起こしながら、目の前の地獄のような光景はすべてドドンゴとメンザス達のよそ者のせいだと思った。


アークはイーライを再び寝かし、立ち上がった。


そして自分の中にある感じたことの無い力がとても大きくなっていることに気が付いた。

最初は少し不安があったがすぐにその力に身を任せることにした。


するとアーク体の周りから漆黒の妖気が煙のように出始めた。


「アーク!ダメ!こっちを見て、私を見て!」


ティーナがアークの周りを飛び回りながら必死に呼びかける。


「アークお願い、()()()()()()アーク!!!」


しかし、アークはティーナの言葉に反応せず、ただただ力に身を任せた。


次第に煙がアーク体全体を覆い、完全に飲み込まれてしまった。


「アーク!!!」


その間もティーナは必死に呼びかけていた。


「なんだ、この煙は…」

「ドドンゴ、少し離れていろ」


ドドンゴはメンザスの言うとおりにアークから少し距離を置いた。


「きゃあ!」


アークの周りを飛びまわっていたティーナは漆黒の煙に弾かれ、10メートルほど飛ばされてしまった。


気が付くと辺り一帯漆黒の煙に覆われていた。


「アーク、ダメよ。今の私ではあなたの力を変えてあげられない。どうしようもできない…」


ティーナは悔しそうにただアークを見ていることしかできなかった。


次の瞬間、漆黒の煙が一気にアークの居る方向に集まり、そのまま中心部に向って吸い込まれていった。

煙が吸い込まれて、次第にアークの姿が見えてきた。


「ア、アーク・・・」


ティーナは煙の中から現れたアークの姿を見て涙を流しながら羽ばたくのを辞め、地面に落ちて行った。


「なんだありゃ、勇者のガキはどこに行った」

「ハハハハハ、素晴らしい。理由はわからんが当初の予定通り我々の仲間が誕生したようだ」


メンザスは今までの無表情を一変させ、大笑いをした。


少年であったアークの体は、長身になり、頭には大小4つのツノが生え、銀色の長い髪の毛を(なび)かせ、見るもの全てを魅了するほどの美形ではあったものの、その表情はとても冷たく、体つきこそ華奢ではあるがどんな鈍感な者でも一瞬で感じ取ってしまう程の絶対的な邪の力を纏っていた。


メンザスは最初こそ笑っていたが、次第にあまりに膨大な邪の力に恐怖を感じ始めていた。

それはドドンゴも同じであった。


「ダンナ、早い所コイツを連れて帰りましょうぜ」


メンザスは転移魔法でアークを連れて移動しようと魔法を唱え始めた時、アークの姿が残像のように消えた。


「うぎゃああああ!」


メンザスは呻き声の方に視線をやると、ドドンゴが地面に片膝をつき左手で右肩のあたりを抑えていた。

よく見ると右手の肩から下が切断されて地面に横たわっていた。


ドドンゴの横にアークの残像が一瞬映った。


「ぎゃああああ!」


今度はドドンゴの右手の切断箇所を抑えていた左手が肩の下辺りからボトッと地面に落ちた。


「ダンナぁ、助けてくれぇ!これじゃ魔法が使えねぇ!俺を早く飛ばしてくれー!ダンナ早…」


再びアークの残像がドドンゴの近くに現れた。


「ぐぎゃああああ!」


今度はドドンゴの両足が何枚もの輪切りにスライスされ、バラバラになり辺りに散らばった。


「いでぇぇーいでぇよぉー助けてくれぉぉ」


メンザスは迂闊に近寄れない為、ドドンゴを助けようとせず、その場で黙って見ていた。


両腕両足を捥がれ、あまりの痛さにのたうち回るドドンゴの横に残像ではなくアーク本体が現れた。


すると足をゆっくりと上げ、ドドンゴの切り落とされて残ったわずかな足の断面を何度も何度も強く踏んだ。


「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」


ドドンゴは最大限に苦しみ、更にのた打ち回った。


アークは足を踏みながらそれを2分ほど続け、ドドンゴが苦しむ姿を十分に見てから少し離れ、ドドンゴに手をかざし、左手から出した黒い光を当てた。

するとドドンゴの体がみるみる元通りになっていった。


「はぁはぁはぁはぁ…な、直った。痛くねぇ。信じらんねぇ」

ドドンゴはゆっくりと立ち上がり、自分の手足を確認した。

自分の体に何が起きたのか良くわからなく、しばらくただただ確認をした。ちゃんと手足がある事が分かると右手をアークの方にゆっくりと差し出し握手を求め、話しかけた。


「アークのダンナ、助かったぜぇ。てっきり殺されるのかと思ったぜ。今ので帳消しってことで勘弁して下さいよ。やっぱり俺たちは仲間だもんな…ハハハ…」


するとアークは表情一つ変えず、立ったままの姿勢で左手の人差し指だけをクイッと曲げた。


「グウェガバァ!ガアア……アア…」

突然ドドンゴが立っていた地面から漆黒の槍が現れ、ドドンゴを股の間から頭にかけて串刺しにした。


続け様に何本もの槍がドドンゴを貫き、アークはその槍ごと自身の手から出現させた漆黒の刃で既に息絶えていたドドンゴを切り刻みバラバラにした。


「よくもお父さん、お母さんやみんなを殺したな。田舎の村だったけど、みんな優しくて、みんな大好きだった。

それをお前らよそ者がぶち壊したんだ。絶対に許さない!みんなと同じように苦しめてから殺してやる!!」


アークは再び姿を消した。


第5話につづく

素人の稚拙な文章の羅列にお付き合い頂きありがとうございます。本当に。

何とか読んで頂けるように頑張ります。

生意気ですが、続きは少ししたら更新させて頂きます。

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