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勇者が魔王で魔王は魔王  作者: かじしょー
3/5

第二の魔王誕生編 1-3 出会い

よろしくお願い致します。

男たちが目の前のモンスターの群れに立ち向かおうとしたその時、背後から何かの物体が男たちの前に飛んで来た。


「えっ!?」

「そ、村長…の頭!?

な、な、なんだ、どうなっている!!!」

「村長ぉぉぉぉぉぉ!!!」


男たちが叫んだ瞬間、

続け様に今度は何個も飛んで来た。


「うぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!」


「そんな…そんな、なんで…あぁぁああぁ…」


飛んで来た物体…それは先に逃げたはずの村の女性、子供、年寄り達の切断された頭だった…


その中にはアイラやキャロルの物もあった…


男達はショックのあまり崩れ落ちた。


カザンは脱力しながらも立ち上がり、力の無い足取りでアイラの無惨にも切断されてしまった頭に近寄り、「さっき約束したばかりじゃないか…お前が先に死んでしまってどうするんだ…」とまだ温かさが残る頭を拾い上げ、抱きしめながら泣いた。


同じくロンや他の村人達もモンスターの群れが目の前に居ることなど忘れ、頭だけになってしまった家族の元に近寄り、抱きしめ泣いた…。


「さて、お別れの挨拶は済みましたかい?

わざわざ少し待ってから登場してあげてたんですよ?」

「ほら、やっぱり俺の言った通り、裏側にも出口があったな。

まぁ逃げられる前にぶち殺せたから良かったけどな」


落胆していた男達は声のする方に目線をやると、そこには上半身裸でガタイの良い人間の男、鎧を身に纏った細身で長身の人間の男、そしてこの二人より明らかに禍々しい空気を纏った小柄でフードを深々と被った人間か魔物か分からない男が二人の間に立っていた。


「勇者は何処にいる?」

フードの小柄な男が冷たい口調で言った。


「クッ…みんな、『良いか…?』」

カザンがそう言うと、

「ああ、行こう…」

男たちは皆、静かに答え一斉に立ち上がった。


「うぉぉぉぉぉぉー!」

男たちは後ろに居るモンスターの群れの存在を完全に忘れてしまっているかのように、そのまま全力で3人組の方に直進して行った…。



一方その頃、祠に向ったアークは奥の祭壇で不思議な光を放ちながら浮遊する丸い物体を見つけていた。


「村から見えた光はこの光だったのかなぁ」

アークはとりあえず物体に手を伸ばした。

アークの手が物体に触れた瞬間、丸い物体の表面に亀裂が入り、そのまま割れながら落下して地面にぶつかり砕けてしまった。

「あれ、割れちゃた!?」

しかし、砕けた破片の中心部から強い光が現れ、そのままゆらゆらと浮かび始めた。

光がアークの目の前に来ると、その光が一気に強くなり、アークが目を開けていられない程の光が放たれた。

「うわ、何だこれ…眩しい」

アークはあまりの眩しさに目を腕で覆った。

暫く目を開けられなかったアークだったが、すぐ近くに何かが飛んでいる気配を感じた。

「なんだろう?」

アークは気配のする方に手を振りかざしたが、何にも触れる事は出来なかった。

気になって仕方がなかったので、まだショボショボしている目を頑張って開けてみた。

すると、目の前に妖精の様な小さな女の子がふわふわと飛んでいた。

「可愛い…キミ妖精さん?さっきの光は君の仕業?」

アークが妖精のような女の子に話しかけると、

「『良かった…。』私は〈ティーナ〉。たった今あなたの手によってこの世界に生まれたフェアリー族。生まれたばかりと言っても、『私自身』はもっとずっと前からこの世界に居たんだけど、訳あって私はこれから君と行動を共にする事になると思う。だからよろしくね!」

ティーナがアークにそう言うと、アークは一点を見つめて黙って立っていた。

ティーナが、アークの目線の先が自分の顔より下にある事に気がつき、自分も目線を下に降ろした。

「…え゛!?デカっ!!!」

ティーナはその小さな体には似つかわしくない程の巨乳であった。

「ちょちょちょ、待って、私たった今生まれたばかりなんだけど?体のバランスおかしくない?」

「それに、私の知る限りフェアリー族って大体小さめが一般的だったような気がする。なんで私だけこんな大きいのよ…」

ティーナは困惑しながら再度アークの顔を見た。


アークはまだ見ていた…。




アークはムッツリであった。


「ほらほら、いつまで見てるのよ!私って生まれたばかりなのよ?そんな幼女、いや赤ちゃんの体を凝視するなんて、まさかあなたそう言う趣味が!?」

ティーナがアークとの距離を開きながらそう言うと、アークは首を勢いよく横に振りながら、「違うよ!違うよ!」と力強く答えて開いた距離以上に前進した。


「じゃあ、首を振りながら距離を詰めて今だに凝視してるけど、やめなさいよ」

ティーナが冷やかな口調で言った。


アークは再度首を横に振りながら、「だから、違うって」と前進しながら答えた。


「さっきから違う違うって言ってるけど、確実に見てるじゃない!そしてついでに距離を詰めないで!」

ティーナが怒りながら言うと、アークは空かさず「違うって!そんな大きなおっぱいが赤ちゃんな訳ないよ!」と全力で答えた。


「違う違うって、そっちかいっ!」

ティーナはそう言いながら、おそらく別世界の事で一生知ることの無いはずである、現世のお笑い芸人という職業の人間たちの中の誰よりも綺麗なズッコケを見せた。




アークは巨乳好きのただのオープンなドスケベだった。

そして、アークは巨乳を見ると人見知りの性格が変わる…。


「わかった、ちょっと待って」

ティーナはそう言うと、【ミラージュ】の魔法を自分の胸辺りに発動させた。

するとティーナの胸はみるみる小さくなって行き、フェアリー族の標準サイズになってしまった。


「よし、これでどう?普通に見えるでしょ?」

ティーナは得意げに言った。


するとアークは何事もなかったかのように後退し、先ほどまでの話の続きを始めた。


えっと、キミは妖精さん?


「いやだから、さっき話したじゃない!私はティーナ、フェアリー族で訳あってこれから君と行動を共にするから、よろしくね!!」

ティーナは怒りながら思った。

(この子は巨乳を見ると周りが見えなくなるどころかその間の記憶すらないのね…)


「訳って何?一緒に居るって事は友達になってくれるの?」

「訳については話せば長くなるから少しずつ話すわ。友達というか仲間みたいなものかな!」

「仲間!?やったぁ僕にも仲間ができたんだ!」

アークは嬉しそうに飛び跳ねた。


「よろしくね、ティーナ!」


「こちらこそよろしくね、アーク」


ティーナがアークの仲間になった。


「じゃあそろそろ村に戻らないといけないから、一緒に帰ろう!」

「そうね!じゃあ帰りながら少しさっきの訳について話すわ。」

二人で祠を出ようとしたその時だった。


「ーくぅ、ぁーくぅぅぅ」

遠くの方から誰かの叫び声が聞こえた。

二人は声のする方に向かって行った。


すると前からイーライがもの凄い勢いで走ってきた。


「はぁはぁはぁ、ぁーく…はぁはぁ…アーク、大変だ、村がモンスターに襲われて、アークのおじさんおばさんに頼まれて村に戻らないでそのまま逃げるように伝えてくれって頼まれたんだ」


「モンスター!?お父さん、お母さんは!?イーライのおじさんおばさんや村のみんなは大丈夫なの!?」

イーライの両肩に掴みかかった。


「大丈夫、みんな先に逃げたみたいだから…」

イーライはアイラに言われた通り、村の男たちがモンスター相手に戦おうとしていた事は伝えなかった。


「そうかぁ、それなら良かった。じゃあ僕たちも逃げよう。それでみんなの所に合流しようよ」


「あれ、でもみんな逃げたって、何処に居るんだろう?こっちの方には来てないみたいだし…」


すると何処からともなく声が聞こえて来た。


「どこにもいねーよ」


第4話に続く

素人の稚拙な文章の羅列にお付き合い頂きありがとうございます。本当に。

何とか読んで頂けるように頑張ります。

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