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第一話 出会い

地球によく似た惑星アースラ

そこは豊かで生き物が溢れかえっていた

そこに魔物と呼ばれる敵が攻めて来た

魔物は従来の武器が全く通用せず

魔法もバリアで跳ね返す物が多かった

そんなこんなで人類滅亡まで後少しと言う時

能力者と呼ばれる者達が現れ始めた


能力者は神の様な力を持つ者もいれば地味な能力の者もいた

これはそんな世界で勇者と呼ばれた少女の話


これは悲劇で終わるのか

喜劇で終わるのか諸君の目で見届けてほしい






ボロボロの体でその辺のベンチに横になる

うぅ…



本当の家族は皆酷かった

お酒によって暴力を振るう父

事あるごとに暴力を振るう母

毎日ボロボロで死にそうででも死にかけたら泣きながら

謝るのだごめん ごめんって

そうして私はお母さんは何も悪くないよ

ぽんぽんと背を叩いてあげるのだ

それがきっと私の生きる意味だと信じながら

そうして母が寝るとクロを探す

見つけて治療を頼む

治療と言ってもクロの力で無理に動かしてもらうのだ

クロとは私の能力で大抵の事は何でもできる頼れる相棒の事だ


クロは大体屋根の上にいる事が多かった

お前また殴られたのか

タンっと屋根から下りてくる

ん クロ早く来て

お父さんが帰って来る前に片付けないと


お前なぁ はぁ

しゅるんと光になって私にクロが宿る

するとクロの見ている世界とリンクする

これで意識朦朧からフラフラぐらいにはなる

これで荒れ放題な家を片付けられる

テキパキと動いて割れた食器や投げられた本

動いていると頭からさっき投げられた灰皿で切った部分から血が出る

他にも点々と血が続いている

あぁそういえば血が出ていたなと思い出して救急箱を探す

中から包帯と消毒とガーゼなどを出す

と消毒が途中で無くなった

あ もう無いや

とりあえず傷口をバシャバシャと大雑把に洗い流す

最初は痛くて堪らなかったけど今はもうなにも感じない

ガーゼを当ててその上から包帯をグルグルに巻く

これも最初は母さんが泣きながらやってくれていた事だ

なんども謝りながら

治療が終わったら

ボロボロになった服を脱ぎ

最近買った服を着る

大きめのフードを被り

傷口を見えなくしたら買い物に主発だ

おやリーサちゃんどうしたんだい?

いきつけの薬屋のおばちゃんが声をかけて来る

うーんとね

箱を見せるとおばちゃんがいる物を揃えてくれる

えへへありがと

お金を渡して次の店に行く

次は服屋さんだ

長袖の服とズボンと大きめの帽子を買う

そして次は素材屋に行き

昨日狩った猪や兎とを売る

狩はクロが私の基礎能力を上げて身を守り易くする為に教えてもらっている事だ

おぉこれは立派な猪だね

お金を受け取ると少し多い

あれちょっと多いですよ?

あぁいつも御料してくれるからサービスだよ

ありがとうございます

お礼し立ち去る



お前そのまま狩に出掛けるなよ

えっなんで?

たくクロが実体化すると途端に道にベチャっとなる

(あれさっきまで動けてたのに

最近は良くこうなる

不便な自分の体を呪う)


これでわかったかお前の状態

(リーサは自分の状態がよくわかってないらしい

出来るだけ自分で気づいて欲しいのだが気長にやっていくか)

うん

ならよし

こうやってスパルタで教えていくしかない

しゅるとクロがまた中に入ると動けるようになる

このまま家に帰るぞ

わかった

くるっと向きを変えて家路への道を歩く

ねぇクロ

んなんだ

少し休憩していい?

おぅわかった

フラフラとベンチに横になる

おい大丈夫か

まだフラフラするよぉ〜

おやお嬢さん大丈夫かい?

優しげな声がかけられる

冷んやり冷たいの手が当てられ思わず擦り寄る

んん〜ん

おや凄い熱急いで治療しないと!

フワリと抱き抱えられ移動する


んここは?

あ起きたよマザー

わぁわぁと散って行く子供達

起き上がろうと横を見るとクロがスヤスヤしている

思いっきり尻尾を握る

フニャァ!

跳び上がるクロ

なんだ起きたのか

ちょっとこれどういう状況?

お前がベンチに寝てたからそこの人に拉致られた以上

えぇ!それって大変じゃない

誘拐って奴だよね

えぇ〜身代金とか要求されるんだよね

お母さん達は心配してくれるかな

あぁちょっとワクワクしてきたかも

久しぶりに殴らないお母さんに会いたい

心配してもらいたい

…お前なぁあの親に期待するだけ無駄だと思うぞ?

ム そんなのやって見ないとわからないじゃん

お前だって本当はわかってんだろ?

あの親達がお前に期待するのは金を稼がせる事だけだって

愛情なんかないんだって

!!

そんな事ない お母さんは優しいんだ

お父さんも優しいんだ

なんでそんなこと言うのクロなんてきら…うわぁーん

走り去って行く


リーサお前がここに来て1週間経ってるんだぞ

お前をそこまでボロボロにした奴らなんだぞ

お前を探そうともしないで酒に溺れてる奴なんかの事は忘れちまえ

俺に親なんて者はいないがあれが違うとは解るつもりだ

現実を見て落胆しちまえ

リーサの分からずや…


クロは動かなかった


リーサは見知らぬ土地を走る

曲がり角を曲がったら

大丈夫かい?優しい声が聞こえた

ごめんなさい

あら!もう走り回れるのね

若いっていいわねぇ

ニコニコと微笑むおばさん

えっと貴方は誰ですか?

私はマリア

皆からはマザーって呼ばれてるわ

貴方はだぁれ?

目の高さを同じにして微笑む

私はリーサ

えと治してくれたのまりあさんですか

ええそうよ

貴方大分と酷い怪我と熱で大変だったのよ?

えといくら払えばいいですか?

え お金なんて要らないのよ

ブンブンと頭を振ってそんな訳には参りません

えーと確か

本には等価交換って書いてありました

物事にはそれぞれ代価が必要だと

だから幾らですか

んーそうね

1万鈴くらいかしら

鈴とはこの世界の通貨

この世界は電子通貨で一万鈴は庶民の一年暮らしていける金額だった

い一万

凄く大金だ

思わず後ずさる

魔物のボスを死ぬ気で狩ればいいのだろうかと考えていると


でもね替えそうなんて考えなくていいのよ

私が助けたくて助けたんだから

ニコッと微笑えまれ

ポンポンと頭を撫でられる

不思議と母とはこうなんだろうなと感じた

思わず縋ってしまいたくなるような


貴方内の子にならない?

え と顔を上げる

貴方の事は猫ちゃんに聞いたわ

クロにですか?

そうクロちゃんって言うのね

最初は凄く驚いたわ

いきなり現れるんですもの

カラカラとマリアが笑う



おぶって連れてきた子がハァハァと辛そうに息をしているのを背に感じながら

出来るだけ早足でなるべく揺らさないように連れ帰る


マザーお帰り

その子新しい子?

マザーはよく子供を連れ帰るそれもどう見ても問題を抱えていそうな子達ばかりだ

って大変だ

凄く辛そう

布団用意するね

氷枕とかいるかな

わぁわぁ言いながら準備する子供達

頼もしい我子達

思わず緩む頬を引き締めて

皆静かにね

は〜いっと指をたてて静かにする

んんクロ煩い

少ししたらちゃんと帰るから…

もう…少し

その後グテとする

あらあらお友だちかしら

夢でも出て来るなんてよほど仲がいいのね

マザーは少し安心して女の子を横堪える

着替えさせようとして服を捲るとあちらこちらに包帯が巻いてあった

マザーは出来るだけ動揺しないようにしてさっと着替えさせる

そして電気とカーテンを引いて

ドアを閉める


クロは一瞬顕現して

リーサの様子を見る

そしてさっきの人の様子を思い浮かべて

この人なら大丈夫そうだなと思い

ほわっと姿を薄めて見守る事にした


その夜ゆっくりと扉が開いて

その人が入って来る

さっと温度計を差し込んで

氷枕をテキパキと変え

ピピっとなった温度計を診て眉をしかねて退室する


そしてクロは暫くその人を見定める事にした


あ マザー

あの子の様子はどうだった?

ここではそこそこ年上のリーサより少し上くらいの女の子が

マザーと呼ばれたその人に声を掛けていた


んー暫く起きなさそうね

そっかぁ あの子の額の傷

マザー能力でパッと治せないの?

そうねぇ ウロじいの能力は最初は元気じゃないと危ないのよ

ウロじいとはマザーの能力で尾を喰むウロボロスの蛇だ

破壊と再生の力で戦闘にも使えるがマザーことマリアが嫌がるので

能力は大分と制限をかけてマリアの中に眠っている

その力で無理やり傷を壊して新しく作り変えることで治療することも出来る

ただしこれには凄く体力がいり途中で力尽きると死んでしまう可能性が非常に高かった

2回目からはウロじいの力が馴染んで比較的楽に出来る

マリアの家の子は最初に少しだけウロじいの力を入れてある


それであの子の傷治してあげたら?

この家の子は怪我したらすぐにマザーに頼んで治してもらっている

今のあの子に使うのは殺すのと同じだわ

んーそっか世の中って難しいね

そうねぇ 上手くいかないものよね

はぁっと物憂気な溜息をついて


クリス他の子達はどうしたの?

クリスはこの家では大人に入る部で街に働きに出ている

ちなみに成人は18歳だ

クリスは16歳

暗めの茶髪の穏やかな目の男の子だ


あぁ年少組は皆寝て他の子たちはまだ遊んでるよ

この家には色々な年の子がいる

下が1歳〜20歳までいる総勢15名

今いるのは10名程度だ

上の子は皆町や軍に働きに出かけている

今はいるメンバーではクリスが最年長だ


んもう悪い子たちね

あははまぁ多目にみてやってよ

それに明日にはランやコロン達が帰ってくるみたいだしね

あぁそうだわ いけない下ごしらえをしないと

パタパタと駆けていくマザー

って事でマザーは悪い人じゃないよ猫さん

…ばれていたか

存在をといていたのに凄いなお前


あはは 僕はちょっと感じ易くてね特に君の気配はなんと言うか独特でわかりやすいよ

む そうか 

少しショックだ

スニーキングは得意だったのだが

あの子の側にいなくていいの?

いても如何にも出来ないしな

能力である程度助けても後に無理が出たら意味がないのだ


それよりもこの辺を見て周るほうが大事だ

そうかい

そうだ

なんならこの施設案内しようか?

お前変に見られるぞ

へ?

一人で猫相手にぶつくさ言いながら案内など

フフフ

何がおかしい

いや君って不器用というか変わり者だね

む そうか そんなつもりはないのだがな


俺たち能力の事について詳しそうだな?

うんさっきも言ってた様に明日ランやコロンって子が居てね

うん

明日紹介するよ

何だと気になるではないか

あ 今気になって

知らん

フッと消える

消えても僕にはわかるぞってあれ本当に何処に行っちゃった

フワッとリーサの元に戻って来ると

マザーと鉢合わせた

!こんばんは猫ちゃん

驚かないんだな

十分驚いてるわよ

それにあの髪の色を見た時から能力者とはおもっていたわ

能力者は人ならざる色を持って生まれやすい

マリアも光の加減で銀にも金にも見える不思議な髪だった


それで貴方のご主人様をここに任せる気にはなったかしら


…帰っても此奴が壊れるだけならあんたに任せようとは思っていた


猫ちゃんあの子のあの傷は

あぁ…

任せるなら話っておかなければとは思うがそこまで託していいのか

これは俺たちの問題でマザーには関係ない事だ…

言いたくは無い

…そうわかったわ話したくなったら言ってね

待ってるわ

猫ちゃんの頭を撫でて出て行く

それと俺の名前はクロ

こっちはリーサだ

世話になるマザー


ちょっと驚いて

ええよろしくねクロちゃんにリーサちゃん

パタンと扉が閉まる


翌日

おはようクロちゃん

ンニャーァァ

伸びをグッっとしておはようマザー

リーサちゃんあれからどう?

ンニャピクリともしねぇ

そう

傷口を見て

思わず眉を顰める

う これは酷いわね

ざっくりと切った額を診て

お腹にある彼方此方のあざ

骨なんか折れて歪にくっ付いた後がある

足も片方が折れていてとても歩けるようには思えなかった

肋骨も折れて何本か刺さっている気配がする

傷が炎症を起こして熱が出ている

あんなざっくりの治療ではとても治せない傷ばかりだった

この子よく生きてたわね

逆に関心するくらいの傷ばかりだった

あぁそれには俺の能力が関わっている

俺能力は身体強化

無茶が出来る

無理やり動かす事も可能だ


私もちょっと無茶するわ

だからクロ

リーサの中に入って

!まさか治療する気か!

お前リーサを殺す気か!

フシャーと毛を逆立ててリーサを守る位置に立つ

分かってクロ

このままじゃどっちみちリーサちゃんは死ぬわ

一番深い傷は内臓に刺さっている肋骨なの

こんな事やってる場合じゃないのよクロ

分かった

リーサを頼む

フワッとリーサに溶け込むクロ

ありがとうクロ

ウロじいお願いね

フワッと現れた尾を喰む蛇

うぬ呼んだかマリア

この子の治療するの

しかしこの子には耐えれんかもしれんぞ?

うん それでもお願い

…覚悟はいいんだな?

うん

分かった

ウロじいがするするとリーサの中に入って行く


とたんリーサが暴れだす

バタバタ意識もないのに凄く暴れるのを必死に抑える

ッガアアアアアアーー

頑張ってリーサちゃん

獣のような声を聞いてクリス達が駆け寄る

マザー!治療はしなかったんじゃ

!クリス良いところにこの子を抑えて!

え 

早く!

マザーの鬼気迫る表情で言われておよび腰になる

ハイぃ

クリスが足を

マザーが肩を抑える

ガァァァーーー

マザーこんなに暴れるって事はよっぽど

っそうよ一刻も争う傷よ

私だって油断したわ

まさかこんなに深傷でだったなんて


今リーサの中で行われている事は破壊と再生だった

悪い所を破壊し新しく再生する

それを体全体で行われるのだから堪らない

破壊されれば当然痛むし再生されれば熱くなる

それが物凄いスピードで行われるのだ

それがこの能力の体力が要る所以だった


それが一昼夜続く


ただいま〜マザー

いないの〜?

ただいまマザー


コロンやラン達が帰ってくる

お帰りコロン姉ちゃん

ラン姉ちゃん

今マザー治療中なの

ただいまキキ

マザーが治療中なんて珍しいね

ええそうですわね

誰か怪我でもしたの?

ううん昨日マザーが連れ帰った子

あ また新しい子増えたんだ


えへへどんな子なの?

うーんわかんない

一度も会った事無いもの

でも遠目には綺麗な燃えるような髪色だったよ

燃えるような髪色…って事は能力者でしょうか

うん そうだね皆大体綺麗な色だもん

ランちゃんのその綺麗な白い髪も素敵だよ

ありがとうコロンの茶髪も素敵ですわ

んぇ私も綺麗な髪が良かったよ〜

私もこんな色嫌ですわ

まるでおばあちゃんみたいじゃ無いですか

そんな事無いよ〜雪みたいで綺麗だよ

フフフありがとうございますコロン

そんな夫婦漫才みたいな事をしながら

さてマザーが治療中って事は料理人が居ませんね

他の皆はどこです?

ん 皆治療を応援してるよ

キキは行かないのですか

うん ラン姉ちゃんとコロン姉ちゃん達のお出迎え

誰も迎えないのは寂しいでしょ

だから褒めてって顔に描いてある

よしよしキキはえらいね

ですわね

わーい2人に褒められた〜

っと言ってその子の応援に行ったのだろう上に上がっていった

ここからでも少し聞こえる声獣の唸るような声

これはよほど大変らしいとコロンに相談する

私がキッチンに行くからランは掃除お願いね

了解しました

コロンの久々の料理楽しみです

うんマザーが下ごしらえしてくれてあるから楽しみにしてて

〜♪鼻歌を歌いながらコロンが準備する


さて私もやりますか

きゅっと袖を上げてマスクをつけて掃除をはじめる

ハタキではたいて

箒ではく

廊下は雑巾がけだ

毎日マザーや子供達がやってくれているので軽くで終わらせる


次は洗濯物だ

タライと洗濯板を持って

ちょっと洗濯行ってきますね

うん 了解だよ ラン

コロンに留守を頼む

山に入って行って

川を探す

暫くいくと川が流れてる音がするのでそこに行く

喉が渇いたので

その川の水を飲む

とても透き通っている水だ

ゴクゴク ここの水は軍のとは違って美味しいですね

2人は軍に能力があるのがバレて連れて行かれたのだ

軍いわく能力者はとても貴重なので保護との事だった

実際は問答無用で連れてこられたが

たまにこうやって短い間だが帰ってくる事も出来る

その際はアクセサリーの形をしたGPSを肌身離さないようにするのが条件だ

昔はもっとゴツゴツしててとても重たかったらしい

ランのアクセサリーは簪で雪の結晶の形をしている

コロンのはシンプルなブレスレットの形だ

今はとても小型化されていてどんな形でも自由なのだ

っと洗濯しないとですね

タライに水を溜め

マザーお手製の石鹸をつける

洗濯板に擦り付けて洗っていく

洗い終わったら洗った物と空にしたタライを持って帰る

家に着いたら洗濯物を物干しに干す

これで完了だ


ちょうど料理のいい匂いがする

その匂いに釣られて子供達がどたどたと降りてくる

わぁ唐揚げだスープだオムライスだハンバーグだと子供の好きそうな料理が並ぶ

わぁコロンお姉ちゃんだランお姉ちゃんだお帰り

こらこら皆先に手洗いしなさい

つまみ食いする子は許さないよ〜

後皆ただいま〜

キャキャっと手洗いに駆けていく

こらー廊下は走ったらダメでしょー

コロンのお母さん節が炸裂する

フフコロンお母さんご苦労様

む 茶化さないでよ〜

まだマザーは戻ってこないですね

うんそうだね

心配ですね

うん …声が聞こえなくなってきた

…本当ですね

…その子私達の姉妹になってくれるかな

なって欲しいですね

うん

うんと甘やかしたいね

そうですわね

お姉ちゃんでも甘やかしたいね

そうですわね

マザーが能力で治療しているのだ

きっとそれまで辛い事が沢山あったのだろう

早く良くなるといいね

そうですわね

子供達が戻って来る

それぞれの席について

『いただきます』

途端にわぁっと騒がしくなる


これ凄く美味しいよ

さすがコロン姉ちゃんだね

卵もふわふわトロトロだよ

見ろよこのハンバーグ中にチーズ入ってるぜ


うわぁ本当だ

ワイワイガヤガヤ

フフ

流石コロンですわね

へへへーん

ここの料理長だもの

ささやかな胸を貼る

ハイハイ流石流石

撫で撫で

〜〜尻尾があればブンブン振り回しそうな表情で喜ぶ

同い年のはずだが はて

可愛い妹分を撫で子供達を寝かせにかかる

私は食器を片付けますからコロンは子供達をお願いしますね

了解

ほら机で寝ないの

ヒョイヒョイと担いで寝室に向かう

これはコロンの能力どんな物でも軽々持てる力であればこそだろう

一気に2〜3人を担いでほら行くよチビども

はーい

まだ寝たく無いよ〜

冒険譚を聞きたくたいのかね〜

う すぐ寝るよ

私も

わぁーっと寝室に向かう


コロンの冒険譚は子供達に大好評だ


少し周りを見て

よしっと気合を入れる

十数名の食器を端から片付けていく


コロンは男女別々の部屋に子供達を寝かせていく

んー女の子は後でね

今日は男の子が先

やったー

えー

男の子ずるい

ごめんね でも特別な話をしてあげるから

わぁ本当!

コロン姉ちゃん大好き

バタバタと入っていく

慌てないの〜

ようーし今日は何が聞きたい?

俺あれ勇者の化け物退治

お前そればっかじゃん

しかもそれ大体1発で化け物沈める話だろ

えーかっこいいじゃん

俺はもっと冒険してるのがいいの

えー

コロン姉ちゃんあれがいい

ん どれ?

コロン姉ちゃんの仕事の話

あ 俺もそれがいい

おれもー

んーいいけど そんなに楽しく無いよ?

いいの

周りをを見渡して全会一致の様子を見る

オーケイ


私の仕事はあっちこっちに行って補給物資を渡す事

最初はゲート酔が酷くて仕事になんなかったよ

たははと笑う

だから最初は荷物整理からだったよ

何十トンのコンテナを彼方此方の班に分けるの

普通は機械でやるんだけどね

最初は化け物を見る目で見られたよ

だからどうだって胸を張って

すいませんこれは何処にやるんですかー?

あぁそれはN班のだ

こっちだ

はーい

よいしょっと

ドーン

ここでいいですか

あぁ大丈夫だ

次はどれですか

次は

最初はポカンとしてた従業員も俺たちも負けるか

ウォーってなって競争したりもしたんだよ?

コロン姉ちゃん流石だぁー

男達負けるなー

そこでガンガン仕事してたら

荷物のチェーンが切れて

コンテナが落ちてきたことがあってね

おい危ねぇ!

え としている従業員さんがコンテナ直撃であわや下敷きになりかけてたの!

ばっと動いたのが私ともう一人いて

でその犬型の獣人さんが人を助けて私が下で荷物を支えたの

これで荷物とその人は無事ってわけ

荷物をゆっくり置くと

ポカンとしてた助けられた人と獣人さんが

おぉこれが能力者か

流石だね

おぉお嬢ちゃんすまねぇ

慌てて機械を操作してる人が降りてきて

そっちの兄ちゃんも大丈夫か?

ははぃー大丈夫です

僕これでも足に自信あるんですよ

それでも良く突っ込んでこれたな

いやあの子が動くのが見えたのでなにがしかあるのかと思ってかけてみたんですよ

結果予想以上でしたが

カラカラと笑う獣人さん

もう 気おつけて下さいよ

私がいなかったら死んじゃってますよ?

ぷりぷりと怒るコロン

あぁそうなんだが何ぶん古くてなぁ

物が足りないんじゃ修理してやっていくしかねぇのよ

う そうだったんですね

お嬢ちゃん辞めるなら今のうちだぜ?

なんせここは異端者の集まりみたいなもんだ

獣人や半獣人は差別されている

死んでもいい人とされているのだ

コロンは廻りを見渡して

そこには犯罪者の印や獣人たちばかり

コロンが眉を顰めると

お嬢ちゃんは優しいんだな

でもここでは比較的マシなんだぜ

なぁ皆ー?

うんうんと頷く従業員達


そんなのおかしい

死んでもいい人なんていないのに

マザーはどんな人でも大切にしなさいって言っていた

私能力ならここで死ぬ人を減らせるかも知れない

うん なら


私ここで働きます

おい!?

私の能力ならここが天職ですしね

ぱっちりとウィンクする

マザーがいつか男を落とす時はこうするのよと教えられた事を実践する

ここで密かにコロンファンクラブが出来る



お嬢ちゃん覚悟はいいんだな?

はい

真剣に猫型獣人に向き合う

よっしゃ気に入ったぜ

俺はガロってんだ宜しくな 皆からはおやっさんって呼ばれている

にっと牙を剥き握手を求める

私はコロンっていいます

宜しくです

ぎゅっと握手する

僕はパトって言います

宜しくお願いしますね

此方も握手する

はいお願いします


あの僕は俺は

わぁっと集まる従業員

はい皆さん宜しくお願いします

ぺこっと頭を下げる

おいお前ら仕事しろ

へ〜い

散っていく従業員

たくこの部品がぶつぶつ

おやっさんも仕事に戻っていく

よし私も仕事しないと

腕を捲り上げ気合を入れる

あのさっきは助けてくれてありがとうございます

やっと死にかけた恐怖から立ち直った人がいう

いいって事よvサインで別れる

その後も指示に従って運んでいく

あ そのコンテナはこっち

青のコンテナはこっちだ

はーい

良く働いてくれるから助かるよ

えへへ頑張りますよ〜

っとこんな感じの仕事だよ


うぉー流石コロン姉

大事がなくてよかったね

はい皆寝てね

えーもっと

駄目ですーまた来る時までにネタ仕入れとくから

約束だよ

うん 約束

じゃ コロン姉ちゃんおやすみ〜

おやすみー

パチンっと電気を消して

女の子の部屋に向かう


その頃には

あれ皆もう寝てる

あ コロン先に寝かせておきましたよ

うんありがとランちゃん

今日はどんな話をしたんですか?

うん今日はねコロンの仕事初日の話

あぁあの

うん皆がコロン姉流石だって

まぁあのやり方はコロンにしか出来ないですしね


マザー大丈夫ですか?

リーサの寝ている部屋に入る

あぁ…おかえりコロン ラン

ただいまです

ただいま〜

皆寝かせときましたよ

あぁ…ありがとね

それでこの子が

えぇ

…この子大丈夫?

今やっと暴れる力が無くなって落ち着いてきた所よ

時々ピクピク動くからこうして見守っているの

そこでクリスが撃沈してるのはそういう事よ

あちらこちらにアザを作って床に寝ている



クリスー

…んファ〜

お帰りなさいお二人とも

えぇただいま

私が変わろうか?

でもコロンさん疲れてるんじゃ

フフン未来の我妹の為人肌脱ぐのだー

そう言う事でしたらお願いします

僕もう限界です

zzz…

あっ寝ちゃった

運んで来るね

よいしょっと


あ ランはどうする?

私もこの子に付き合います

うん 了解だよ

クリスをベットに突っ込んで来るね

トタトタと出ていく

椅子を持ってきて赤い髪の子の容態を見る

マザーこの子なら大丈夫ですよ

ランの未来予知だ的中率100%の絶対未来予知とも呼ばれている


!本当かいランが言うなら安心だね

ただこの治療で暫くは目がさめないそうです

私達とはギリギリ会えないですね

うーんそうかいそれは残念だね

えぇとても

私達のお休みが一週間ですから


ただいまー

おかえりなさいコロン

とても残念なお知らせです

この子には会えません

私達が帰る頃に起きるでしょう

んえそうなの!?

はい

えぇーショックだよー

それでこの子の未来は?

それがはっきり見え無いんです こんな事は初めてです

私能力は対象を絞ればその人の死ぬすんぜんまで見えるのですが


この子の場合は近未来は予想できるのですが

1ヶ月くらい先まででしょうか

相変わらず凄いねラン能力

見え過ぎるもの困り物です

はぁっと溜息を吐く


ランのいる未来予知部は敵の出てくる時間と位置を予測して

有利に戦えるようにする部だ


んー次元気な姿で会えたらいいかな

そうですね

あんた達2人も随分大きくなって

何年ぶりだい?

うーん何年だっけ?

3年ぶりですね

2人を纏めて抱きしめてる

あぁ本当によく戻って来てくれたね

おかえり

えへへただいまマザー

ただいま帰りましたマザー

1週間お世話になります

しばらく宜しくね

雪とマロンちゃん元気かい?


ご無沙汰してますマザー

元気だよマザー

シャランと光が集まって

雪とマロンが顕現する

2人も元気そうだね

撫で撫で

ンフフ擽ったいよマザー

無言で擦り寄る雪

マザーの手は大きくて安心する〜

そうですね

ありがとね


さ マザーは寝てて下さい

後は私達が看てます

うん お願いしょうかね

よる年並みには勝てんわ

腰をポンポン叩いて立ち上がる

2人ともお休み

額にキスをして出ていく

おやすみなさいー

久しぶりのマザーのキスなんだかドキドキしちゃった

フフ私もです

お二方そのままでは風邪引きますよ

リーに手伝って貰って毛布持ってきました

これに包まって下さい

ありがとう2人とも

ありがとう

毛布を受け取る


こうして夜はふけていった


次の朝

いやーやっと終わったわい

しゅるんとウロじいが顕現する

2人を見やって看病ご苦労さんっと言ってマザーの元に消えていった


マリア

あらウロじい終わったのね

あぁ暫く寝かせてもらうからの

はい お疲れ様です

マザーの中に消える


朝ご飯作らないと

今日も1日頑張るわよ

気合を入れて動き出す


カンカンカン

お玉とフライぱんで叩いて合図する

皆起きなさいーご飯できたわよ

ンニャ ンムャまだ寝てたい〜

後5分…

早く起きないと朝ご飯なくなるわよ

わぁそれは嫌だ

ドタバタと起き出してくる

まだお姉ちゃん達起きてないよ

んもうしょうがないわね

こら2人とも起きなさい

うぅ 書類がー

あ その荷物は…

ペシン

んあ

おはようございますマザー

マザーおはよう〜ふぁー

2人とも1番最後よ?

仕事疲れで大変でしょうけど頑張んなさいな

んぁーってええ

私達が一番最後なの?!

ええそうよ

チビどもは皆遊びに出かけてるわよ

えぇ!大遅刻じゃん

今日だけは多めに見てあげるからさっさと食べなさいな

うぅごめんなさいマザー

それじゃお先ですコロン

!ランいつの間に

コロンが寝ぼけている間です

早くこないとコロンの分食べちゃいますよ?

!置いといてよ

フフフ

さっと2人出ていってしまう


慌てて準備して食堂に下りる

遅いですよコロン

ランは待ってくれていた

ごめんごめんラン

それじゃいただきます

んーマザーの料理最高

この卵の焼き加減なんか好みど真ん中だよ

フフありがと沢山お食べ

はーい

お代わりですマザー

はいはい

黙々と食べるラン

綺麗な動作で食べている


コロンはあれが美味しいねと話ながら元気よく食べている


御馳走さま


2人とも今日はどうするんだい?

そうですね

今日は静かに過ごそうと思います

私はチビどもの相手だぁー



そうして平和に1週間が過ぎて

お姉ちゃん達もう帰っちゃうの〜?

お姉様がいなくなるなんて寂しいです

コロンは主に男の子に人気

ランは女の子に人気だ


もう一度一目見とこうと

女の子の部屋に上がる


よく寝てるね

ですわね

ほっぺプニプニだよ

可愛いですわ


次こそ会おうね

それまで元気でいて下さいね

ちゅっと額にキスをして軍の迎えの車に乗る















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