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ヴァルキュリア戦記  作者: アラサカゴウ
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少女の根回し

この度は、興味を持って開いていただきありがとうございます。面白い作品になるように暇を見つけては執筆していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

月皇暦一二○六年 月皇暦史上最大と呼ばれた世界大戦が幕下ろした。

後に禁忌戦争と揶揄されることとなるこの戦争に終止符を打ったのはひとりの少女だったと伝えられている。

連合軍中枢国ノクタスの魔法兵器開発の権威、マートン・ハザール博士により世界を揺るがす兵器が完成された。

第三種禁忌兵器 姫剣ヴァルキュリア。完成から一ヶ月余りで実戦投入されたこの兵器はその後の戦況を180度ひっくり返すことになる。連合国の完全な劣勢はヴァルキュリア投入からわずか3ヶ月で戦況を優勢に回復した。反乱軍側もそれに対抗しヴァルキュリアの模倣品を開発したいことにより戦争は長期化するも一度覆った戦況を打開することは出来なかった。こうして、歴史上最大と呼ばれた対戦は幕を下ろし反乱軍側のヴァルキュリアの模倣に携わった役人、研究者はことごとく処刑された。連合国側、マートン博士はヴァルキュリアについて「私の人生最高にして最低最悪の作品である」と語り戦後間も無く自ら命を絶ったとされている。

一二八八年現在、禁忌兵器の存在は人々により語り継がれているが誰もがその実態を知る由はなかった。


〜元連合中枢国 ノクタス北部 ミル〜

元連合軍の重要拠点だったこの「ミルの街」は数多くの伝統工芸品が有名であり陶芸、絹織物、名水を利用した万病に効くと言われる聖水まで、前国王に「村の資源すべてが商売になる」とまで言わしめた商業の街である。ちなみにこの「ミルの村」最重要拠点たらしめた要因は二つある。一つは反乱軍側の拠点と山脈一つを挟み隣り合わせだったこと(山脈があったため戦争が長引いたとも言われているが)二つ目は「ミルの街」で取れる資源の中に「鉄鉱石」があったことでもある。戦争では鉄が取れるかどうかが戦力に大きく影響を与えることは言うまでもないだろう。

しかし、そんなものは昔の話である。現在でも採掘の仕事は盛んであるが戦争なぞ何処吹く風。一応軍の駐屯地とされているが肝心の軍人さんは酒場の最重要顧客となっている始末である。まあ、平和なのは良いことだ今日も幼馴染の作る夕飯が何かということが一番の悩みであるのだから。

「アレクー!大佐がお呼びだから今すぐ執務室に来いって言ってたよ?」

聞き慣れた幼馴染の声だ。うんざりした調子で返す。

「執務室??あんだよまた説教かよ」

「は〜ん?なんか心当たりのある顔だな?それは」

昔からほんとに口を開けば人をおちょくるような女である。彼女の名前はティア。過去に孤児だったこともありティアの名前しか分からないらしいが、本人も俺もあんまり気にしていない。一応、俺と同じ姓「エルドリア」を名乗っている。

「別に何もしてねーよ!ただ演習サボったとか、便所の掃除してなかったとかそんなだろ。鬱陶しい」

「それは何もしてないとは言わないよね…とにかく大事な話みたいだから顔は出してね!はい、私は伝えたから仕事おしまいね」

「まあいいや。とりあえず行ってくる。あ、今日の飯は?」

「帰ってからのお楽しみだよ!大佐に怒られてしょんぼりしたアレクを見ながら食べるご飯は美味しいだろうな♪」

「言っとけ!」


〜元連合軍駐屯地 ミル 大佐執務室〜

「やあ大佐、いい嫁さんでも見つかったのかい?」

そんな軽口を叩きなが執務室にズケズケと入る。

「ノックぐらいしたらどうなんだ。生憎様お仕事が恋人なものでね」

そんな古くからの友人のようなノリで始まる会話だが、このジョー・ギルトハルド大佐は俗にいうできる男である。

何がすごくてこの(一応)重要拠点の指揮権を預かり、大佐までのし上がったのか今や知るものはいないが剣術、学芸、人望、どこを取っても大佐なのである。

「便所の掃除ならやりましたよ。」

「あ〜。オーケー。あとでやっておくように」

相変わらず、食えない態度だ。これ以上ベラベラ喋ると俺の余罪が次々日ノ本に晒され流ような気がして単刀直入に本題に入る。

「大事な用事ってのは?」

「お前、デートに行ってこい。」

理解するのにタイムラグがあったな。

「はあ…で。誰と?」

「ティアに決まってるだろ。」

「え、大事な話ってそれ?ですか?」

「疑問形になる意味側がわからないな、その通りだ」

ああ、はめられたティアのヤツ。大佐に根回ししやがった。

「それは軍の運営に関係があることなのでしょうか?」

「くどいな、大佐命令だよ。」

はい上下関係乙。最強の男に逃げ道を塞がれてしまったようだ。

「はあ、で?どこに行けばいいのでしょうか?」

「ふむ…物分かりが良いのは良いことだぞ少年よ。」

いちいちムカつく物言いだな。ほんとにこの男はつかみどころがない。

「いくらティアの頼みといっても、なんの仕事もなしにうちのエースを出張させたりしないさ。」

ああ、これは絶対になんか企んでる顔だ。大変な1日になりそうだな…




最後まで読んでいただき有難うございました。今回はあまり話は大きく動きませんでしたね(汗)時代設定や物語のプロローグやら設定を書くことってすごく面白くてついつい予定していた設定を無視して書き進めてしまいそうになります。前置きは大概にして次回は話を進めていきたいと思います(多分)

気がすむまで連載していきたいと思いますので興味を持っていただいた方はぜひ次回もよろしくお願いいたします。

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