魔法が使えない少年ー7
カルア先生のセリフを少し変更しました。
「また勝てなかったな‥。」
僕はいつになったら勝てるんだろうか。
魔法を使えないから勝てないんじゃないかという考えが出て来たけど、それを振り払う。
「レベル20【ヒール】
よし大丈夫ですよ!」
医務室のカルア先生にはいつもお世話になってる。
僕が学生の中で怪我する回数が多いらしい。
魔法が使えない事が原因なのだろうけどカルア先生は悪い事を1つも言う事なく面倒をよく見てくれる。
むしろ仕事が出来ると張り切っているくらいだ。
たまに怖い目で医務室の先生が僕を見ているのだけど気のせいって事にしておこう。
先生綺麗だがら彼氏とかいると思うのに。
前にその話をしようとしたら今までで見たこともないような目になったから話すのをやめたんだけど‥。
「前みたいにファイアガードに突進なんてしようとしたらダメですよ?
先生に止められたから良いけど、私凄い心配したんですからね。」
「すみません‥。
でも負けたくなくて。」
「わかってますよ、でも自分を大切にしてあげて下さい。
フェン君が傷つく事で悲しむ子だっているかもしれないですよ?」
「わかりました。
でも僕が傷付いても悲しむ子はいないと思いますよ?」
「またまた〜
フェン君かっこいいからモテるでしょう?」
「全然モテませんよ。
彼女とかいた事ないですし、カルア先生だって綺麗だし彼氏とかは‥すみません。」
「よろしい。」
怖かった。
カルア先生が人を殺せそうな目でこっちを見てきた。
カルア先生に彼氏がいるかどうかの話をするのはもうやめよう。
「‥どうしたら勝てますか?」
僕はカルア先生に思い切って聞いてみることにした。
カルア先生は医務室の先生であり、魔法を教える先生ではないため他の先生よりも魔法の相談をしやすい。
相談より愚痴に近い感じで話せるからね。
何よりカルア先生が先生の中で1番話しやすいし。
「そうですね‥。
せめて身体能力を上げる魔法を使えれば勝率は上がると思うんですけど。」
カルア先生はまじめに答えてくれた。
いつもは軽い感じでやり取りをしているので心配をしてくれているのがわかる。
その気持ちが嬉しい。
「そうですよね‥。
でも無い物ねだりをするのはやめておきます。
次こそは勝って来ますよ」
僕はそれだけ言うと医務室を出ようとする
「フェン君。
これだけは覚えておいて下さい。
フェン君に何があろうと私はあなたの味方ですから。」
「ありがとうございます。
いつも先生には感謝しています。
先生も早く彼氏作って結婚して下さいね、応援してますから。」
「ちょっ‥」
そう言って先生の顔を見ないで医務室を出た。
理由は照れ隠しだ。
決してカルア先生の顔を見るのが怖かったからではない。
次の実戦練習でもし負けて医務室へ連れていかれたらカルア先生に怒られるだろうな‥。