魔法が使えない少年ー4
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フェンも負けず嫌いな男の子だ。
周りに言われたい放題言われて、実戦練習で負けてばかりで良いわけがない。
今は負けてばかりでも必ず魔法使いを倒すという強い意志を持っている。
魔法学校の授業は座学もあるが身体を動かす授業が多い。
実技の授業が週に4回、加えて座学が週に1回ある。
これは魔法の知識がついてきたからこその時間割であり、学校に入学したばかりだと週に4回の座学に週に1回の実技と年齢と魔法の知識に合わせて授業を組んでいる。
実技の授業は
魔力を上げるための基礎体力作り
魔法の発動の練習
実戦練習
主にこれらの授業だ。
そして今日の授業は実戦練習。
実戦を想定した試合だ。
魔法学校は正しく魔法を使う為に実戦を想定した対戦形式での試合を行う。
主に1対1だが複数人で対戦する事もある。
これはいざという時に自分を守る為の練習と言う事はもちろん、魔法の強さや人に放つ怖さなどもしっかりと理解してほしいという考えの元行われている。
フェンは今日こそは勝つぞと言う意志のもと授業で使う訓練場へと向かう。
「おや?
これは未だ勝ち星のないフェン君じゃないか!
今日こそ勝てるように頑張りたまえよ!」
フェンを見かけるなり嫌味を言ってきた少年の名前はルシキ。
火の魔法を得意とする。
事ある毎にフェンに突っかかってくる。
幼少の頃からフェンを敵対視しており実戦練習でフェンと対戦する時には容赦なく火の魔法を使ってくる。
フェンがレベル10【ガード】を使えないと分かっていながら容赦なく魔法を使うのだ。
ルシキの友人にマシクと言う生徒がいる。
フェンには容赦のないルシキであるが友人であるマシクには優しい一面を見せる。
マシクにだけ特別優しいと言う訳ではなく、友人を大切にする性格である。
しかしその事をフェンが知るわけもない。
「なんだよ、また馬鹿にしにきたのか?」
「いやいや今日の実戦練習の対戦相手に挨拶をと思ってね」
フェンの実戦練習の対戦相手はルシキなのだ。
これまでルシキとの対戦成績は10戦10敗。
30人のクラスだが何故かルシキと実戦練習で試合する事は多いのだ。
実戦練習の対戦相手はランダムに決められる。
バラバラにしないと偏りが出てしまうし、実際の戦闘で相手は選べない。
対戦相手はその日に決まる。
短い時間で対策を考える事も実戦練習なのだ。
「そうだったね
手加減せずによろしく」
「当たり前だ」
フェンは魔法を使えないからと手加減される事を嫌う。
以前実戦練習での対戦相手に手加減された時にフェンは怒った。
それで勝っても意味がない、と負けることを嫌うフェンが自ら棄権したのだ。
その後もフェンとの実戦練習で手加減したり棄権する生徒もいたが手加減する生徒には全てフェン自ら棄権し、フェンと戦う事を棄権した生徒との結果は成績に入れないことを先生に直訴している。
そのためフェンの事を容赦なく攻撃するルシキとは実戦練習であたる事が多くなったのかもしれない。