魔法が使えない少年ー3
毎日投稿してる方って凄いんですね。
朝飯を食べ終わりフェンはいつも通り学校に通う身支度をする。
フェンの通う学校は自由度の高い学校で入学希望があれば誰でも入る事ができる。
事実フェンというイレギュラーさえ入学する事ができた。
だからといって学校のレベルが低いという訳では無い。
毎年行われる全校生徒が出場する魔法大会の迫力は凄まじい。
魔法大会と言っても魔法を用いた戦闘だ。
ただ全校生徒が参加するという事もあり終わるまで1週間もかかってしまう。
その間は屋台なども出てお祭り騒ぎとなっている。
学校への道を歩きながらフェンは思う。
やはり魔法使いを攫っている人がいる‥と。
フェンは稽古をする為にしょっちゅう外出している。
そのため沢山の噂話を聞くのだ
「魔法使いを攫って何をしているかは分からないけど目的は多分魔法の解析だよね。」
沢山の噂話を聞き自分なりにまとめた結果その結論に辿り着いたのだ。
人は生まれ持って使える魔法は決まっているとなっている。
自分の中に大きな掲示板がありその掲示板に書いてある魔法を使う事が出来る。
使える魔法には火の魔法が得意などのある程度の共通点がある。
極端な話をすればレベル50の魔法を使えてレベル15の魔法を使えない人だっているのだ。
また文字を見ればレベルと使い方などが全てわかるようになるが、魔法を発動した時に己の力量(元の魔力)が足りなければリバウンドがくる。
またそれとは別に魔力切れというものもある。
魔力切れを起こすと魔法が発動しないがリバウンドも起こらない。
そもそも激しい脱力感で何もする事が出来ないそうだ。
そしてフェンには大きな秘密がある。
フェンの中にある掲示板にはほぼ全ての魔法が書いてある。
フェンはレベル1からレベル99までの全ての魔法を知っているのだ。
使い方を知っていて尚相手に勝つ事が出来ないのだ。
フェンは魔法をほぼ全て知っているが魔法の発動が出来ない。
側から見れば魔法が使えない人だ。
フェンもその方が都合がいいからあえて反論する事もない。
何度も魔法を発動しようとしたが発動出来ない。
しかしリバウンドも来ない。
フェンはこれをクールダウンや魔力切れに近いものだと考えていた。
明確な理由はわからないが一切魔法が使えないと分かったフェンは魔法が使えないと嘆くのではなく己の肉体を鍛える事にした。
いつか魔法が使える時が来ると信じて。
そして魔法が使える様になった時に魔法のみでなく自らも戦える魔法使いになれる事を目指して。
それがフェンが腐らずに今までやってこれた理由だった。
そしてフェンがその秘密を今まで誰にも話して来なかった理由がある。
先程の生徒の会話にも出てきた魔法使いを攫った存在だ。
推測ではどんな魔法が存在するのかを調べている。
もし本当に魔法の解析なんて物をやっている奴らがいるとしたら、自分という存在を知られたら手段を選ばずに探すに違いない。
勘違いならいいがもしもの事もあるために自分の秘密は誰にも言う事が出来ない。
誰かに話してしまうと自分は勿論の事だが話した相手にも危害が加わってしまうだろう。
自分が守るだけの力があればいいのだが今のフェンには自分を充分に守る力さえない。
なのでフェンはどれだけ馬鹿にされようとも誰にも言う事なく17年過ごしてきた。