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魔法が使える少女ー5

「カルア先生!

敵が来て魔法が、だけど頑張って倒して!!」


「うんうん、フェン君。

いきなりやって来て興奮を抑えきれないのはわかったけどゆっくり話さないと私分からないですよ?」


「そうでしたね!

さっきニーナが2人組に襲われて」


「うんうん。」


「そこに僕が助けに入って」


「うんうん。」


「2人と戦って苦戦はしたんですけど何とか倒す事が、って先生‥?

聞いてますか?」


「うんうん。」


「先生?」


「うんうん。」


この瞬間フェンは思い出す。

医務室を出るときにカルア先生の地雷を踏んでから反応を見る事なく出てきた事を。

この反応の理由をフェンは考える。

考え抜いた結果フェンの出した結論は‥。


「もしかして怒ってますか?」

「うんうん。」


綺麗な笑顔での返答。

綺麗な笑顔はカルア先生の怒りの裏返し。

フェンがやる事は1つ。


「すみませんでした。」

「よろしい。」


フェンの綺麗な土下座によって無事解決となった。


「まあ私が結婚できなかったらフェン君にもらってもらうって事でいいとして、敵が来たのでしたっけ?」


「え?

今なんて言いましたか?」


「ん?」

「すみませんでした。」


「話を戻しますよフェン君。

敵が来たのですか?

そもそも敵って何ですか?」


その一言でフェンは冷静になる。

話を逸らしたのは誰だよというツッコミも心の奥にしまう。


「そうなんです!

さっきも言いましたがそこにいるニーナ、女子生徒が知らない男2人に襲われていてそれを僕が何とか倒しました。

襲ってきた2人を拘束したので先生に連れて行ってもらおうと思いまして。

敵が何だかは詳しくはわかりませんが魔法研究者と言っていました。」


「わかりました。

手の空いている先生を回収に向かわせます。

場所はわかりますか?」


「はい、場所はー‥」



フェンが2人を拘束した場所を伝えカルア先生が教員に連絡。

無事に2人を回収したという報告を受ける。


「無事回収も終わったみたいですね。

さてフェン君。

魔法研究者って聞いた事ありますか?」


カルア先生が真剣な表情でフェンを見ながら聞いてくる。

しかしフェンはその正体が不明である事はもちろんだが、なぜニーナが狙われたのか理由もわからない。


「聞いた事はありません。

しかし噂で魔法使いを攫っている存在がいた事は知っています。

僕はその存在が魔法研究者ではないかと考えています。」


「私も魔法使い攫っている存在がいる事は知っていました。

襲撃者から情報を引き出せればいいのですが‥。」


襲撃者2人は尋問にかけられるとの事。

フェンは命を狙われた事もカルア先生を介して教員に伝えているので、しっかりと情報を引き出すと言っていた。


「フェン君にあともう一つ聞きます。

本当にフェン君1人の力で勝てたのですか?」


「それは‥。」


フェンとニーナはレベル75【エンチャント】のお陰で倒せた事は話さないと決めていた。

仮に襲撃者2人が魔法の存在を教員に話しても妄言だと誤魔化せばいいと思っていた。

しかしカルア先生はずっと面倒を見てもらってた上に1番親身になってくれた。

そのカルア先生を騙したくはないが、ニーナの為に本当の事は言えない。

この会話でさえ誰かに聞かれてしまっている可能性がある。


それ故にフェンは何も話す事は出来ない。


「事情があるのはわかりました。

もういいですよ、部屋に戻ってゆっくり休んで下さい。」


「はい‥。

わかりました。」


「さっきからずっと黙りのニーナさんも戻って大丈夫ですよ。」

「は、はい!」


フェンとニーナはカルア先生にお礼を言って寮に戻ろうとする。

医務室を出ようとするとカルア先生がフェンの名前を呼ぶ。

フェンが振り返ると


「フェン君初勝利おめでとう。

よく頑張ったね。」


カルア先生が優しい笑顔でフェンを見ながらこう言った。


この一言でフェンが初めて対人戦で勝った事を実感する。

上手くいかなかった事がほとんどでカルア先生に沢山迷惑をかけた事を思い出し自然と涙が出そうになる。



「ありがとう‥ございます。」


フェンに出来る精一杯の返事だった。



フェンの戦歴(実戦を含む)

102戦1勝101敗

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