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魔術の謎を紐解く学者が望む日常  作者: 咲月 sc
第0章 物語の始まり
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第1話 学者って何だっけ?

≪魔法ってなぜ使えるのだろう…≫

 そう尋ねたら「魔力を持っていればそれを扱うことで魔法が使える」といった答えが返ってくるのが普通だろう。

 少なくとも、私が聞いた限りではこのような認識が当たり前だった。そう、魔法を使えるものにとって重要な問題はそんなことではなく、いかに強力で実用的な魔法を使()()()かという点なのだから。



――「できた…」


 中央の大都市<王都>から大きく西に外れた<龍巣山(りゅうそうざん)>にポツンと建っている小さな一軒家。その窓に映るは疲弊しきった少女の姿。その姿を窓越しに月明りだけが照らしている。


「やっと成功した…やっぱり私の立てた仮説に間違いはなかった…!」


 この(けんきゅうじょ)に歓喜の声が響くのは実に2年と半年ぶりである。


「とりあえず…今日は‥もう…寝……ㇲゥー‥ㇲゥー」


 しかし、彼女には喜びを持続させるだけの力は残念なことに残ってないようであった。



 彼女が静かな寝息を立て始めてから丸々2日が経ち、そろそろ昼に差し掛かるという頃。


「ふあぁ~…あれ?昨日まで何をしてたんだっけ?…あぁ!そうだったそうだった!ついに証明できたんだ‥夢じゃなかったんだ。」


 そういうと、決して大きいとは言えない(むしろ小さいといってもいい)その身体を震わし、2度目の喜声(きせい)をあげ、誰に向かってでもなくその薄い胸を張ったのであった。傍から見ればただのおかしな人なのだが、本人にとってはこれで精一杯の喜びを表現しているようである。


「っとと、私はどれだけ寝ていたんだろう…あっ、そうだ!魔術カレンダーはどこにしまったっけかなぁ。」


 いま彼女が探している魔術カレンダーとは、面倒ごとが嫌いな彼女が少しでも楽ができるように自動で今が何日かを表記してくれる魔力を込めたカレンダーである。


「おおっ、あったあった。って、2日も寝てたんかーいっ!…まさかっ、

 ―――やっぱり…貯蓄が銅貨5枚しかない…。」


 かなり青ざめた様子で見るからに落ち込んでいるのにはもちろん理由がある。それは彼女の貯蓄に関することなのだが、銅貨2枚でパンが1個買える値段となり大体銅貨100枚で銀貨1枚分となる。銀貨の上には白銀貨が白銀貨の上には金貨が…という感じで、今の彼女の現状を言うとかなり貧乏である。というか、1週間と持たないレベルである。


「あわわ、どうしよう!…どうしようっ!…と、とりあえずおちつけー、私よ、お、落ち着くのだ。そ、そうだ!こ、こういうときこそ深呼吸だっ!……吸ってー、はいてー…吸ってー、はいt けほっ!こほっ!唾液が‥気管に…死ぬっ…み、水を!」


 彼女が水を要求したとき、机の上に置いてあるコップに並々の水が()()()()のは言うまでもないだろう。

 無から有を生み出す存在がこのような魔法である。という認識が常だ。


「ゴクッ‥ゴクッ…ゴクッ……ぷはぁ…こんな時のために生活用魔術を覚えたつもりはなかったけど、とりあえず助かった~。ま、まぁ‥深呼吸をすれば落ち着くってのは本当の事なんだなー。用研究っと。‥しかし、何も問題は解決できてないんだよな。前回の余ったポーションを全部売れたとしても、銅貨が10枚もらえるかってところだし…今から加工や錬金をしたところで、今日中に売りに行く時間は無いし…とりあえず今日は明日のために加工品とポーションに必要な材料を集めて、寝かせておくとするか。研究結果もまとめなきゃならないし…やることが多すぎる。…こういう時になんで助手がいねぇーんだよぉ。」


 半分泣きそうになりながらそう叫んだあと、彼女はおもむろに愛刀を持ちリュックを背負って私服に着替え、(半泣きになりながら)獰猛なモンスター達が蔓延る山の中へ、材料(今日の晩飯も取れたらいいな)を探しに足を踏み入れるのであった。


私は物語を描くのが好きなんですっ!…なんてどうでもいいことですね(笑)

さて、私がこれを描くにあたって唯一願ったことは、これを読んで面白いと思ってもらうことだけです。

私がこの先描くであろう物語を予想して当てるであったり、ただ単にシナリオを楽しんでもらったり。人によって感じる面白さは違いますがとりあえず、「面白いっ!」と思ってくれるだけでいいんです。

私冥利に尽きるというやつです(笑)

それでは、面白がってくださいねっ!…ってこの文見るの大概読み終わった後やないかーいっ!

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