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■??

 わたしは、セハテ。

 ただのセハテ。


 村の人は皆、普通ではないのだと笑いますが。

 太陽のように暖かな金色の瞳。雪のように淡い白色の髪。――それは神さまにだけ、許された色。

 ただのセハテがそんな色を纏っていれば、普通ではないのでしょう。


 ええ、ええ。

 そりゃあ、そうかもしれませんね。


 それでもわたしは、ただのセハテなのです。

 セハテ。それがわたしの名前。

 それがわたしをわたしであると証明する、唯一のもの。


 わたしはセハテ。

 わたしはセハテです。


 おかあさま、わたしはあなたから生まれたのです。

 それなのに、あなたはわたしを子どもだと認めない。


 ――いいえ、いいえ。違うのよ、セハテ。

 セハテ。セハテ。私達の神さま。

 私の子供ではないわ。おまえは神さまの御子であるの。


 なにも、不安に思う事など無いわ。


 ただ、笑っていなさい。

 ただ、祈っていなさい。

 ただ、守っていなさい。


 この世界に祝福を。

 敬虔なる信徒に厚き加護を。

 貴方が貴方であるために、私達は命を賭してでも守りましょう。

 だから、そう。

 貴方はいるだけでいい。

 それだけで、私達は救われる。


 ――ねえ、おかあさま。

 おかあさま。

 おかあさま。

 わたしの、たった一人のおかあさま。


 なぜ。

 なぜ。

 なぜ。


 ――何故?


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