ななちゃんのいちご飴
【幼い姉妹の七夕】の姉妹
天真爛漫の妹、ななちゃん
しっかり者の姉、かなちゃんの物語。
『ななちゃん、手繋がないと迷子になるよ』
お姉ちゃんのかなちゃんが言いました。
『はぁい』
ななちゃんはお姉ちゃんの言うことを素直に聞き小さな手をお姉ちゃんに差し出します。
ななちゃんは、お姉ちゃんにしっかり手を繋いでもらい町内のお祭りに来ています。
『おねえちゃん、おまちゅりたのちいね』
ななちゃんはママに浴衣を着せてもらいご機嫌です。
かなちゃんは、ななちゃんが可愛くて仕方ない様子です。道ですれ違うクラスの友達に
『かな、小さい妹が居たんだね』
クラスの友達が、ななちゃんの存在に気付き興味津々です。
お姉ちゃんが、ななちゃんに話しかけます。
『お名前、言える?』
『うん!』
『じゃあ、ご挨拶してごらん』
優しく、ななちゃんに話します。
『ななでちゅ』
ななちゃんの舌っ足らずの話し方が気に入られ
『わぁ……可愛い』
『抱っこして良い?』
『可愛すぎる!』
かなちゃんの、お友達はななちゃんの可愛さにメロメロです。
『なな、ちゃんと持っていられる?』
かなちゃんは、ななちゃんにいちご飴を渡します。
『もちゅ(持つ)』
嬉しそうに手を繋いでいない方の手をお姉ちゃんに向けて手を伸ばす。かなちゃんは、ななちゃんにいちご飴を渡すと
『おねえちゃん、ありがと』
お礼を言って受けとる。
クラスのお友達は和やかな雰囲気の二人にほのぼのしています。
『あれ? いちご飴なの? りんご飴じゃなくて良いの?』
クラスのお友達は疑問に思って、かなちゃんに聞きました。かなちゃんが応えます。
『なな、いちごが好きなの。だからりんご飴よりいちご飴なんだ』
みんなが納得したようで、ななちゃんに声をかける。
『ななちゃん、いちご飴良かったね』
優しく声をかけると
『うん』
人見知り発揮しだしたのか、かなちゃんと繋いでいる手に力が入る。お姉ちゃんにもらったいちご飴をギュッと握る。
お友達は盆踊りの輪の中に入って行く。
『おねえちゃん、いーの?』
ななちゃんは、お姉ちゃんがお友達と一緒に居られるようにお姉ちゃんに声をかけます。
『良いんだよ。なな、お茶飲もうね』
暑さ対策でママが持たせてくれた水筒のお茶をななちゃんに飲ませるお姉ちゃん。いちご飴を預かりお茶の入ったコップを手渡す。
『ありがと』
両手で受け取りお茶を飲む、ななちゃん。
『おねえちゃんは?』
お姉ちゃんを気にする、ななちゃんに笑顔を見せて
『ななが飲んだあとでね』
と言うと、にっこり笑った ななちゃん。
いちご飴とお姉ちゃんの手をしっかり握りお祭りを満喫した、ななちゃん。
真っ赤な夕陽を背にして、お姉ちゃんとしっかり手を繋ぎ、いちご飴もしっかり持ってお家に帰るふたりに一番星がキラリと光る。