人間の心を『読む』少年
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ちょっと、内容が変わっています。
俺は、俺自身が人に流されやすいということを、前々から知っていた。そして、空気を読むのが得意ということも知っていたし、他の人間に愛想よくして好かれていることも知っていた。
それが原因で、俺は現在、スクールカーストでも上位に位置していて、女子からも月に一回は告白されるぐらい人気者になっている。
俺はそれが非常に馬鹿らしく思えた。俺はただ、相手が何を思っているかを見抜いて、それに合わせて話題を振っているだけなのに。そんな簡単なことで人気者になれるなんて、人生イージーモードじゃないか。
それが愉快で優越感に浸っていたこともあったが、そんなもの、小6のある朝にアンパンマンにパンチをもらったバイキンマンのように飛んでいった。
その朝、俺は珍しく早起きした。いつも、目覚まし時計をセットしても、母親が叩き起こしにくるまで起きられないのだが、その夜はなんだか頭痛がしてよく眠れなかったのだ。
目を覚ますと、頭痛はすっかり良くなっていて、体の奥底から元気がみなぎってきているような気がした。
しかし、顔を洗いに鏡の前に立った時、なんとも言えない奇妙なフィーリングが全身に走るのを感じる。--俺の額だ。
そこは元々、小さなニキビができて、俺はそのニキビが気になって気になって仕方がなくいたのだが、その朝、ニキビは消えていた。
代わりに、ニキビより最悪なものが俺を、『睨んだ』。
ああ、なんでこうなったのか。
俺は神様から罰が当たったのか。
「イクタクンッテ、ナンカキモチワルイヨネ」