表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

2話 学園生活3日目

「月曜日」


平日の最初の日、学生にとって「地獄の1週間の幕開け」と思われる月曜日。


「ふわぁぁぁ、眠いな」


聖蘭華学園に来て3日目、午前8時になったばかりだが登校している生徒は8人で「ほとんどがサボっているのか」それとも「学園に近いところに住んでいるから遅いのだろうか」など俺は考え、学園の生徒手帳を見てみると出席確認&遅刻判定は8時55分だった。


「まだ時間はあるし、ジュースでも買おうかな」


俺は椅子から立ち上がり、廊下に出ようとした瞬間に廊下を走っていた女子生徒とぶつかってしまった。


「いててて・・・大丈夫か」


「え、ええ・・・大丈夫です」


俺はぶつかった衝撃で強く尻を打ったが向こうは大丈夫だったらしくその女子生徒の言葉に俺は安心して立ち上がろうとすると女子生徒が手を差し伸べてきた。


「あの・・・私が廊下を走ってたのが行けなかったので、大丈夫ですかお怪我は・・・」


心配そうに俺の顔を見る女子生徒、だがここは紳士っぽい対応をする時である。


「ああ、大丈夫だよ、俺の不注意でもあるからお相子だろう、そんなに気にしなくてもいいよ」


俺は笑顔でそう言うと、女子生徒は「ごめんなさい」とぺこりとお辞儀をして通り過ぎていった。


「今、あの子・・・俺のクラスに入ったよな」


通り過ぎた後も俺はもちろん変な意味じゃない方で女子生徒を見ていたら俺の在籍するクラスへと入っていった。


「そう言えば入学式は居なかったよな」


そう考えながらも階段を降り、ラウンジでジュースを買っているとちょうど登校してきた女子生徒数人が俺を目撃したと思えば・・・。


「伊勢島君よ~!今日もかっこいい」


と言いながら俺の元へ駆けつけてきて「サインください」と、サイン用紙を渡してきた。


・・・まてまてまて俺ってアイドルじゃねぇぞ


「すまん、俺はこれで」


もちろん書いてやりたいところだが今はあのぶつかった女子生徒の謎を究明することからだ、俺は謝りながらも女子生徒の間を通ってラウンジから出ていった。


「さて、あの子はなんだろうか」


廊下を歩きながら探偵が推理をしているように顎に手を当てる、それで謎が解けるのであればうれしい限りではあるがそれは名探偵コ○ンではないからそれは無理だろう。


「転校生?いや入学式の日に休んだってのもあるな」


考えているだけで謎がどんどん深まってくるのだが一応はこれからの学園生活に響くだろうと感じたので俺は教室まで考えることにした。


「はぁ、全然わからねぇ・・・」


1年生の階の廊下を歩きながら俺は一人で呟いていると教室からなんやら楽しそうな声が聞こえたのでドアの端から中を見てみる・・・。


「おいおいマジかよ」


その光景に俺は驚いてしまう、あの女子生徒の周りでは他の女子生徒がぶつかった女子生徒の髪を触ったり話しかけたりしている。


「ああ、簡単だったわ・・・」


結論を言うと、あの女子生徒は「転校生」で間違えはないだろう。その教室内の光景を見て「考えていた俺の時間を返せ」と思いながらも俺は無言で窓側にある自分の席に座る。


だが座っている間もちょくちょく誰かから見られていることに薄々気づきながらも俺は持ってきた本を読んでいた、その時だ。


「ほら時間だぞ~、座れ~」


1年E組の担任が教室に入ってきて生徒表を教卓に叩きつけ、女子生徒の周りに居た生徒は自分の席に座ると突然先生は指を鳴らして男子生徒を指さして言う。


「さて、男子生徒諸君・・・転校生だぞ。ほら、前に来て自己紹介をしろ」


女子生徒に手招きをする担任。それに反応した女子生徒は立ち上がって黒板の前に立つと小さく深呼吸して女子生徒は真顔で自己紹介を始めた。


「朝比奈沙也加です、前の学校は青林学園で訳アリでこちらに来ました」


・・・青林学園!?


俺は持っていたペンを落として唖然とした、青林学園と言えばお嬢様学校で日本の中で早稲田を超えるくらい凄い学園である、そこから何故ここまで来たのだろうか・・・。


「そしてそちらの方・・・伊勢島拓人さんと言いましたね、その方と付き合っています」


と、真顔でそして生徒と担任が居る中で普通に言ってしまう朝比奈沙也加、しかも初対面の人に「付き合っている」というのは何かいろんな意味でやばいのだが。


「お、おう・・・だからみんなは朝比奈と仲良くしてやってくれ」


担任も完全に引いていることに俺は気づくのが誰よりも早く、そして窓側の2列は男子なのだが後ろから俺に向けての視線がくそ痛い。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


休み時間、俺は朝比奈を廊下に呼んだ、「告白!?」とか女子生徒がこそこそ話していたのが少し気になるのだがそれはいいとして


「朝比奈さん?でいいのかな、困るよ俺たち初対面なのに根拠のないことを言われても・・・」


俺は頭を掻きながら朝比奈を傷つけないように言葉を選びながら言うと朝比奈は「すみません」と顔を俯かせて謝った。


「ま、でも付き合っていることにしようか朝比奈さんが気が済むまで付き合うよ」


個人的な予想だが女性は気が済むまでやらせておけばいつしか離れていくだろうと考えた、そして俺は電話番号を交換して朝比奈と別れた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ