プロローグ
俺の名は伊勢島拓人、俺は今年高校生になったばかりであり未だに学園に馴染めているかどうかと問われたらまだまだだろうか。
「あ~明日は学校かぁ」
地元である埼玉県入間市にある聖蘭華学園に通う俺は、4月6日の入学式から何故か先輩の女子の中で人気で「茶髪碧眼のイケメンが1年生に居る」と、裏で言われていたらしい、まあ地毛が茶髪であるのはいいのだが何故碧眼なのかは分からない。
「ま、とりあえずは頑張るかぁ」
部屋で呟きながら部屋のカーテンを開く、カーテンを閉め切って薄暗かった部屋には眩しい太陽の光は部屋を明るく照らし、小鳥も元気よく鳴いている・・・今日の始まりを感じさせるいい朝だ、と思っていたのだが、俺は隣ですやすや寝ている妹を見て
「いつまで寝てんだぁぁぁ!!!!」
と叫び、ガバッ!という音と共に掛け布団と毛布を床に投げ捨てるとすやすや寝ていた妹が目を擦りながら起き上がった。
「あ、お兄ちゃんおはよう」
「おはようってもう昼だぞ、部活はどうしたんだ」
伊勢島夏海、俺の妹だ。中学3年生で女子テニス部の部長なのだが朝寝坊が生業のこいつに部長という大切な役割を任せるのは顧問の先生・・・それは間違えているだろう。
「あ~今日は自主練だしいいかな」
・・・だめだこいつ
と、まあさぼり気味の夏海だが腕前は相当なモンで夏海は県大会でなんと1位の成績を収めているのだ、しかも夏海のスマッシュは地面にめり込むくらい強力で、一度夏海のボールに当たった選手は全治一ヶ月の骨折になったとか。
「とりあえず起きろ、そして俺と同じ高校に行きたいのならもっと努力しろ」
腕を組みながら夏海に言い聞かせると起きたての夏海はベットの上で欠伸をした後に何故か敬礼をして「任せといてお兄ちゃん」と言った。
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夏海の昼食を済ませた俺は花壇に水やりをするついでにポストを覗くと茶封筒があり、それを手に取ると「伊勢島拓人さまへ」と、書かれていた。
「なんだろう、姉貴じゃないといいのだが・・・」
そう願いつつも封筒をその場で開くと中には手紙と写真が入っていることに気づいた俺は脳裏で「処分しようかな」と考えたが読んでみることにした。
『親愛なる拓人へ、いつか拓人をモフったり女装させたいな♥ 玲奈より』
と、手紙には書かれており、そして手紙と一緒にあった写真はなんかハーバードの教授のカツラが飛んでいった瞬間を捉えていた。
「なんだこれ・・・」
その写真を見てこっそり小さな声で俺は呟いた