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勇者の後継者  作者: 真那斗
9/11

君は幼く、世界を知らない 9

そこに現れたのはカルラだった。

なぜ、現れたのか、どうして杖なのか、今のは一体何なのか。

ユリアの頭の中はそれでいっぱいだった。


『貴様生きていたのか……!!』

「………。」


黒い男の暁の瞳を鋭くさせ、カルラを睨みつけた。

しかし、カルラは無反応なくそれを見つめている。


しびれを切らしたのは全く会話に入ってこなかった少年のほうだ。


『誰だか知らないけど僕の楽しみを奪うやつは許さない。』

  

 頬に雫が垂れるのを感じた。

 

 角は長く尖がり、先程まで人の形をしていたものは原型などとどめていなかった、それはつまり”怪物”だ。


 顔が青ざめるのを感じた、”それ”が襲って来られたら自分はひとたまりもない。

 だが、その危機的状況でもなおカルラは無反応だ。


 そんなカルラに”少年だった”者は咆哮をあげ、襲いかかってきた。

 かすかに後ろを見たカルラは震え、青ざめるユリアを突き飛ばした。


「きゃっ!」


 尻餅をつくことになったが結果的には無傷だ

 避けることが間に合わなかったカルラは攻撃を受け、突き飛ばされしまった。

 かろうじて直撃は回避したようだが、体には突き飛ばされた体には無数の土埃がついていた。


「カルラ様!」

「危ないっ!」


 近づこうとするユリアにカルラの言葉がかかる。

 その声はいつもの物静かな声ではなく、叫びにも似た声色だった。


 


 それもその筈、先程まで傍観していた暁の瞳の男がユリアの前にたっていたのだ。


「え?」


 ユリアは目を丸くさせ――――その瞬間、視界が真っ赤に染まった。


 ―――視界が完全に真っ暗になる時、誰かが名前を呼んだ気がした。



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