君は幼く、世界を知らない 7
『わぁ、新しいおもちゃが来たの?』
子供の声が聞こえた。
そちらを向くと無邪気に笑う少年が立っていた。
しかし、その子供には尖った耳がある。
『ねえ、君はどんなことができる?そこのおもちゃは楽しかったけどもう飽きちゃったんだ』
無邪気に話す少年は笑っていた、がデウスは顔を歪ませる。
少年は、おもちゃと言ってるが明らかにその表情は狂気に満ちていた。
「お前の相手は俺だ、コイツは関係ない!」
ユリアをかばうようにデウスは前へ出る。
少年はその光景に目を見開き、すぐに不機嫌になった。
『なにおまえ。おまえにはもう興味がないよ。』
どうやら、少年の興味はデウスからユリアに変わったようだ。
しかし、そんなことはさせまいとデウスは少年に切りかかる。
『野蛮。』
少年は軽々しく避ける。
その動きにデウスは顔を歪ませながら切り続けた。
「避けんじゃね!!」
『やーだよ。』
傍から見たら子供相手に振り回している図ができるが、しかしあの少年はこの村を火の海に変えた張本人だ。
(でも、なんであんな子供が…)
心底楽しそうに笑いながら避ける子供しりめにそんなことを考えていた。
その瞬間、黒い影が空を掠めた。