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君は幼く、世界を知らない 5
ユリア、危ないからお前はここに居ろっ!」
「私もいく!」
「だめだ!」
ユリアもただならぬ気配を察知し、緊張したように顔をこわばらした。
そんなユリアにデウスはここに残るようにと伝える。
しかし、ユリアは頑なに食い下がろうとしない。
そんなな事を言うユリアにデウスは困ったように怒ったように話しかけ続ける。
「……君たちが行っても無駄だと思う。」
ふたりの言い争いに話しかけたのは、カルラだった。
「無駄ってどういうことだ!!」
一番先に反応したのはデウスだった。
「……言葉の通り、無駄な被害が増える」
カルラは何を考えているかわからない表情をしながら二人を見つめる
「それでも俺は行くからな!」
「デウス!!」
ユリアの静止の声も聞かずにデウスは村に向かって走っていってしまった。
「デウス…っ!」
「……」
走っていってしまったデウスの後を追うようにユリアも走っていく。
「………なんで人間は。」
その後ろ姿をカルラは見つめていた。