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君は幼く、世界を知らない 4
の前に現れたのは虚ろな瞳を持つ青年だった。
「あんたこそ誰だよ!」
デウスが目の前の男に吠えた。
「……カルラ。」
目の前の青年は、自分の名前をカルラと答えた。
「カルラ様…?カルラ様はなぜこんなところに」
「……住んでる。」
カルラはそう話して、森の奥を指さした。
それはまるで森の奥に住んでいるように。
「つまりは森の奥に住んでいるのですか。でも何故?」
ユリアが聞くがカルラはゆっくり近づいていき、ユリアの頬を触り始める。
あまりに突然のことにユリアは硬直した。
デウスは怒りながら吠えている。
「……、優しい色をしている。」
カルラは気にも止めずに話しながら頬を触り続けた。
その目には懐かしいといった瞳をしていた。
なぜそんな目をしているのかユリアにはわからない。
「………魔族の気配。」
「え?」
カルラはふと視線をユリアたちが来た村の方向を見た。
「きゃあああああああっ!!!」
その瞬間、言葉とともに村の方から
悲鳴が聞こえてた。
「なっ、悲鳴!?」
デウスは驚きながら村の方向を見た。