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落ちこぼれ魔皇子  作者: 黒田明人
幼年期
6/17

幼年期 3

どうにも安易なネーミングです。

 


あれから更に半年が過ぎ、レベルも順調に増えていった。

それと共に近接戦闘にも慣れ、獲物の獲得と共に、試したい魔法もある事が分かり……つまり、マジックボックスの存在である。


元々、転移魔法が空間魔法って認識だったので、それはあると思っていた。

ただ、確立させると余計な負荷になると思い、必要まではあえて使わなかっただけの事。


升目のイメージでアイテムが整理され、投入したアイテムは升目の1つを埋める。

頭に浮かぶ升目は20×20で400種類になっている。

重量は不明だけど、とりあえず入れるだけ入れてみようかと思ったんだ。

オークル…コボックル…オーガル…ウルフィル…ベアル…リザックル…ドラッカルはそれぞれ、

豚系、犬系、鬼系、狼系、熊系、ワニ系、竜系……なんかさ、小説に出てくる系の魔物なんだ。

他にも、ラビックル…ムースル…ホースル…カウル…ゴートル…シープル……どうにもラストに『ル』が付くみたいだ。


だからさ、最初は普通の動物で、魔物化したって証が語尾の『ル』じゃないかと思ったんだ。

後は魔物と動物の違いなんだけど、体内に魔石のあるなしだ。

魔物には心臓の隣に魔石……魔力凝縮物……が備わっている。

成分はどうにも血液凝固物って感じに赤黒い球だ。


キレイに洗った後でペロリと舐めてみた。


するとちょっと懐かしい味……そう、ほのかな甘み。

興味のままに口に入れ、そのまま舐めていると実に良い感じ。

ちょっと甘い牛乳飴ミルクキャンディって感じかな。

かつて200日余り、飲んでいたあの赤い液体の味にそっくりなのだ。

あれって魔石を砕いて溶いた液体だったのかな? 


これいいな。


面白い発見と共に、魔石はオレの嗜好品になった。

魔石を入れる袋も何種類かに分け、小さな魔石を嗜好品に位置付けた。

大きなのは砕かないと口に入らないからであるが、もしかしたら売れるかも知れないと。

後、解体の事だけど、それは城下を視探で視て覚えた。

うん、オレはどうやら王子っぽくてさ、だから比較的自由が効いたみたいなんだ。

それに最大限に甘えて自由に修練してたんだけどね。


魔法の研鑽と共に、身代わり君の開発にも成功した。

代理フレッシュゴーレム】である。

魔物の素材を採った後のゴミから生成したそれは、オレそっくりにした生きた死体。

もっとも、オレが魔力を注がないとただの死体となり、そのまま放置するとミイラ化してしまう。


ともかく、そいつを設置してオレは城から抜け出した。

城下では精神系の魔法でまずは情報収集だ。

【暗示】【催眠】やれる事は何でもやった。

どうやら魔力を【供給】してやると快感に感じるらしく、寝ている奴に軽く流し込みながらその意識を探ったのさ。

質問のままに頭に思い浮かべるから、色々と情報を集めたんだ。

それにしても、寝ながらビクンビクンしていたが、あれってもしかして……

オレはまだ産まれて1年ぐらいだし、そんな欲望は感じないけど知っている。


だけど調査に有効だし、本人も良い思いをするんだからいいよね。

城から抜け出して、その間は身代わり君は生きた死体で眠ったままの状態。

全く反応は無いが、死んでいる訳じゃないように擬態させてある。

つまり、生きているように見えるだけの死体と言えば良いだろうか。

オレの注いだ魔力でそれを維持するのに10日。

その間に情報収集と素材売りをやっておかないとな。

いきなり追い出されて、商売がやれるとは限らないからさ。


もっとも、オレに金は必要なく、必要なのは物資だった。

なので物々交換を確立させ、必要な物資を集めていく。

人気なのは主に肉であり、素材はあんまり喜ばれない。

だから肉と物資の交換取引をやりつつ、狩りに修練にとこなしていった。


身代わり君を時々備え付けて……



味覚が心配な今日この頃。

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