表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/163

侵入者の真実

すみません、また力尽きてました。

なんか体調が妙におかしいなと思っていたら風邪でしたね。どーりで鼻や耳が詰まるわ、咳が出るわ、頭痛がするわけだ。

…………とっとと風邪だと気付けよ、俺!

「ったく、うちのリーダーはいつもああだし、臨時雇いの冒険者はダンジョンマスターと仲良くなるし……ぁ~、もーやってらんねぇなぁ……」


「いつもああって……苦労してんのね、あんた」


「まったくだ」


 ちょっと話しただけだが、アレは会話が通じる人種じゃないだろ?


「苦労? ……苦労なんてもんじゃねぇよ。いつも作戦無視して突っ走るわ、短絡的な人道最優先で命令違反するわ、命令違反の結果が味方全滅寸前になるわ、目を離したら女引っ掻けてくるわ、女が人質にされたら味方の被害を無視して女助けるわ………………」



 「……どうやら俺達は触れてはいけない部分に触れてしまったようだな」


「みたいね、まさかここまでひどいとは思わなかったわ」



 苦労という言葉は槍の男には禁止ワードだったらしく、その言葉を聞くなり、ドス黒いオーラを発しながらぶつぶつと呟きだす。

 はぁ、どうすっかね……。


「ところで、さっきから気になっていたのだけど、アーサーはどうしたの? 明後日の方を見ながら演説をしてるけど……」


「アーサー……っていうと、あの騎士か。

 アイツは今、幻の中の俺と会話中だな。……聞く限り、ずいぶん自分に都合のいい幻を見ているようだな」


 魔法騎士の女と会話しているのを邪魔しようとしたので、久遠が幻術をかけてた。仲間が達磨された怒りで興奮してたから簡単にかかったようだ。


「…………それら全ての責任が幼なじみってだけで、何で俺がとらないといけないんだよっ!? 俺だってアイツの被害者……っつーか、被害の第一人者だぞ!」


 槍の男を放置していると、男はぶつぶつ呟やいているうちに自分の言葉で現状を再認識して、沸々と怒りが沸き上がってきたらしく、いきなり雄叫びを挙げだした。


「もお、うるさいわね、いきなり叫ばないでよ」


「るっせぇよ、いつもいつもアイツに振り回されて、今回のことだって戦時の命令違反と戦後の敵地平定作業の妨害の懲罰人事のとばっちりだったんだぜ! 叫びたくもなるわ!」


 命令違反はさっきコイツが愚痴ってたけど、平定作業の妨害…………は徴収の妨害かな? 敵地から金品を徴収するのは当たり前ではあるけど、ぶっちゃけ強奪だからなぁ。まぁそれをやらないと戦争にかかった費用の補填ができないから、妨害されるとかなり困るんだけどな。


「へ? 亡国の反乱の旗頭になりうる宝剣の回収が?」 


「んなもんアイツを国外に追い出すための方便に決まってんだろぅが。見つけるまで帰って来んなってことだから、事実上の国外追放だ。

 大貴族の跡取り候補で将軍の息子なんだから、大それた理由でもでっち上げねぇと国外追放なんてできねぇんだよ。一応、宝剣云々も嘘じゃねぇから、懲罰人事ってことになってるがな」



「何で貴様が責任をとらされるんだ? ……と言うか、それならばそいつから離れればよいだろう?」


「それができれば苦労はねぇよ。うちは代々アイツの家の従者の家系なんだよ。アイツ自身は俺のことを『親友だ』なんて寝ぼけたことを言っているがな。親友だ、っつーなら、俺を巻き込むなよ……。

 責任についてはアイツの親父から擦り付けられてんだよ」 


 …………本気で苦労してんなぁ……。


「大貴族の跡取り候補で将軍の息子が何をしたら国外追放なんてされるのよ? 命令違反程度なら将軍が握り潰せるでしょうに」



「あ~、まぁ将軍が握り潰せないほど積み重ねたのもあるが、そっちじゃねぇ、戦後平定作業の妨害の方だ。

 うちが滅ぼした国が、うちと戦争する前に滅ぼしていた国の姫を捕らえていたんだが…………アイツがその姫を死に追いやった」


 ………………ビミョーに心当たりのある話になったな。

侵入者のうち騎士は主人公(笑)で、戦士は巻き込まれです。

貴族身分のある国だと巻き込まれは現代日本ものの比じゃない苦労をしますね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ