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赤熱の水妖姫

「くっ、まっ……話を……」


「っそ、が……このばか野郎が、なんてこと、しやがる」


「まったく、あんた馬鹿なの? こっちは消耗してたでしょうが!」


「ぬ、しかし」


 俺が攻撃された所為か、先ほど弾き飛ばされていたはずの車妖怪たちが侵入者を取り囲み、激しく攻撃している。

 侵入者たちは既に消耗していたので、防戦一方。魔法騎士の女の魔法でなんとか防げているが、騎士の男は身動きが取れないようだし、銃使いにいたっては武器からしてそもそも役に立ちそうにない。


「……別に放っておいてもよくないか?」


 なんかあいつらがやり過ぎないように止めるくらいしかやることがないんだけど。


「う~ん、確かにそうみたいね」


「それなら、この妖刀はどんな感じに強化されたか教えてくれないか?」


 何かするにしても、妖刀がどんな具合になったのか知っといた方がいいし。


「今回は材料があまりなかったから強度の強化くしたのと、お兄さまのスキルの発動の補助をできるようにしたくらいよ。スキルの補助は一回、短時間なら一切のリスクなく、条件無視でスキルの発動ができるらしいわ」


 材料が少なくてそれって、材料が満足にあったらどこまでできるんだよ?


「強度か……、それでさっきは銃弾を弾けたんだな」


 まぁ、強度はともかく、スキルの方は凄いといえば凄いのだが、結局、一回・短時間のみだからできることはあまりないな。



「ニャッ!」

「どうした、刹那?」


 どうするか悩んでいると、消耗を防ぐ為に人化を解いた刹那が何かを訴えるように鳴き声をあげる。

 刹那の視線が指し示す先、そこには──


「……パァパに、何、するの」


 先ほどまでより更に赤くなった水奈が天馬から離れて、侵入者たちの目の前に立っていた。

 ちなみに天馬は離れた水奈に気付いていないのか、距離を取りながらも狂骨をじっと見つめている。


 ──変若水比女(おちのみずひめ)・水奈が『秘めた熱き想い』『激情』『スキル《水態》』の条件を満たしアイテム『熔岩』を得ましたので称号《赤熱の水妖姫》を得ました。今後、熔岩操作が可能となります。


「……あなた、たちなんか、みんな……消えちゃえ!」


 システムメッセージが聞こえると同時、水奈が淡く輝いたかと思うと、周囲の熔岩が侵入者たちに襲いかかる。

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