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家鳴り

「「「「キィ──────!!!!」」」」



 スキル《家鳴り》

 それは小鬼の持つ集団(ユニオン)スキルで、五鬼以上の小鬼がいて初めて発動可能となる。

 その効果は──


「何を企んで……む、地が震えておる?」


「は? 何言って……ん、揺れているのかしら?」


「ちょっ、そんなの、どうでも……い、いから、早く、魔法を……」


「あ、ごめん、もうちょっと待って」


 地震を起こすことだ……が、侵入者たちの反応の通り極めて小規模。そもそも家鳴りは、何もないのに家が軋む音が鳴る程度の現象に過ぎない。ほんの微かとはいえ、地震が起こるだけでもすごいことだと言えなくもない。

 とはいえ、普通ならそんな揺れているのがわかるかどうかという程度の微かな地震なんて意味はない。だが、ここにおいてはその微かな地震で十分だ。


「ん? なんか妙な音がしない?」


 まず異変に気付いたのは魔法を唱えている騎士の女。真っ先に気付けたのは他の三人と違い、妖怪たちと対峙していないからだろう。


「ああん、何がだよ?」


「妙な音とな? 言われてみれば……それに地の震えも先ほどよりも……」


 槍の男は気付かないが、銃を持つ男も音、そして地震が徐々に強くなっていることにも気付く。

 まぁ、槍の方は仕方ない。何せヴォンヴォンうるさい朧車に囲まれているんだから。ちなみに騎士の男は既に話す余裕が残っていない。


「よし、朧車と小鬼、ターボババァは急いで下がれ」


 準備が調ったので火耐性の不十分な奴らを下がらせる。


「なっ、逃がすかっ!」「グルンッ」

「ぐっ、この邪魔を……ん!?」


 だが、下がらせまいと槍の男が追撃してくるも、輪入道が間に入り妨害。その隙に全員が避難に成功し、地震も最高潮になる。


「よし、地形変更──承認」


 そして先ほどから操作していた地形変更を承認して、俺の周囲を高台にした瞬間──


ドバァァァァァァァン!!!!


 火山が噴火し熔岩が流れ出す。



「「「「なっ!?」」」」

「ヒヒィ──ン!?」

「……大丈夫、だから、落ち着いて。高く飛べばあたしたちは、大丈夫……だから」


 突然の噴火に侵入者、そして一角天馬が驚くが、水奈が宥めて上空へ避難する。


 先ほどの《家鳴り》による地震は噴火を起こすための布石。噴火によって流れ出した熔岩が侵入者を呑み込──


「ああ、もう……せっかく完成しかけてたのに!


 《アース・ウィップ》


 大地よ、我は其が同胞なり

 我を傷付けることなかれ

《フェロウ・ジアース・シェル》」


「ちょっ!?」

「あんっ!?」

「ぬぅ……」


 もうとしたその時、騎士の女が唱えていた魔法を中途破棄し、溜めていた魔力で別の魔法を強引に紡ぎ、仲間を引き寄せ身を守る。


「アッチィィィィー! おい、何とかなんねぇのかよ!?」


「贅沢言わないで! 咄嗟のことだから、あんたたちを引き寄せて地属性の防御をするだけで手が一杯で、熱まで対処する余裕なんてないわよ!」


 ふむ、これで決まってくれれば良かったんだがな……。仕方ない、


「輪入道、片輪車、火車、《火炎陣・地獄車》だ」

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