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風猟犬の鎧

 不満そうなナギサを尻目にこっちの侵入者のリーダーからボーンメイルを奪い取り、確認してみる。





《風猟犬の骨鎧》(状態:破損小)


 ガストハウンドの骨によって作られた鎧。

防御力は低く、特に刺突系攻撃への耐性は低いが、風の加護によって風系攻撃への耐性と軽やかな身のこなしを得ることができる。





 なるほど、風の加護か……だから明らかに重そうな斧を持ってたのに異常に回避力があったり、ツグミの雷撃(雷は風系)に耐えられたのか。


 今まで侵入者たちから奪ってきた武具の類いはすべて金属か木、あとは野生動物製のものばかりで、モンスター由来のものはなかったからわからなかったけど……もしかしてモンスター素材の武具って強いのか?

 サンプルになるのがこの風猟犬の骨鎧だけだから、分かりにくいな。


 まぁ、ぼやいても仕方ない。ぼやいたところでモンスター素材の武具が増えるわけでもないし、それを装備した侵入者が来るわけでもないからな。


 ……いや、待てよ。

 モンスター素材の武具ってうちで作れないか?


 妖怪たちは死んでしばらく経つと遺骸は消えてなくなるのだが、一部がその場に残る。

 これがダンジョンモンスター特有の現象であるアイテムドロップなのだが、うちのダンジョンだと妖怪が殺られてもの回収の隙を与えないことが多いので、結構な数のドロップアイテムがマスタールーム横にある倉庫に眠っている。


 何かに使えないかと思って取っておいたのだが……あれで色々作れそうな気がするな。

 それに蜘蛛夫婦の糸やナデシコの脱け殻とかドロップアイテム以外でも使えそうな物が多そうだ。


 あ、でも作ろうにも鍛冶技術も縫製技術も細工技術ないな……って、そういうのが得意な妖怪を作ればいいのか。

 え~と、生産系の妖怪か……妖怪に限らんならドワーフとかレプラコーンとか色々いるけど……う~ん、妖怪だと鍛冶だと鍛冶神の眷族とも言われている一本踏鞴(いっぽんだたら)と、縫製……糸や織物は蜘蛛夫婦に任せてもいいが織物の逸話のある鶴……その鶴の妖怪の産女(うぶめ)、あとは細工物には器用でそういった物に詳しそうな百々眼鬼でいいかな?


 産女と百々眼鬼は女の妖怪だから一本踏鞴も女にして、あとはそれぞれに対応するスキルをつけて、同じ生産系だからついでに姉妹設定もつけて──


「一本踏鞴、産女、百々眼鬼を作成、仕様変更……──────承認」


 三鬼の妖怪を作成する。

 仕様変更でスキルをつけたからかなりポイントを使ったな……。



 さて、作成してから気付いたんだが──


「「「きゃぁぁぁぁぁ!」」」


 ここには全裸の男の死体があるんだよな。


 毎回侵入者の身ぐるみを剥ぎまくっているから感覚が麻痺してたけど、初対面の女性にみせるもんじゃない。

 作成した三鬼は身体ごと後ろを向いて目を逸らす……が──


「「「いやぁぁぁぁぁぁぁ!」」」


 後ろにも全裸男の死体あるんだな、これが。


「すまん、男の死体を還元──承認」


 話になりそうにないので、侵入者たちの死体を還元し消し去る。

作成した一本踏鞴、産女、百々眼鬼は六花たちと違い戦闘系ではなく、生産系のそれも即戦力を期待して、一本踏鞴が18歳・百々眼鬼が20歳・産女が24歳くらいとある程度成長した姿に設定している。


 ちなみに六花たちは当時ポイントが少なかったのもあるが、ダンジョンと共に成長していく事を期待して子供タイプの妖怪や幼体設定にした側面もある。


「えーと、だな……」


 さて、何から話したもんかな? いきなりあんな物見せてしまったので、話を始めにくいな。


「あ~、あのさ、あんたがあたい達のご主人なんだよね」


 どうしたもんか考えていると向こうから話しかけてきた。

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