ダンジョン作成 フィールド編
「あの主さま、今ダンジョンはどのくらい出来上がっているのですか?」
側近モンスターの六花も作ったことだし本格的にダンジョンを作ろうと思っていたその時、俺の膝の上から逃げた六花が話しかけてきた。
「まったくと言っていいほど出来てないな。ここにいる五体の鬼火と六花、お前だけだ」
「それなら、主さま……まずは生活環境を整えましょう」
あ、確かに生活環境……特に食事について整えないとダンジョン作っても開放する前に餓死するな。
「六花、ちょっと来なさい」
「あ、主さま……」
「一緒にみるぞ」
「はい……」
六花を呼び寄せ、捕獲ののち膝の上に乗せ一緒にウィンドウを見る。だって六花も住む空間だから六花の意見も反映しないとな……そう簡単には逃がしません。
ちなみにウィンドウは俺以外への可視不可視の設定は自由にできる。
「六花、お前は何を食べるんだ?」
「わたしですか?
基本的に主さまと同じ物を食べられのです。ただ熱いものは無理なのですけれど。
それと食事をしなくても精気を得られれば生きていけます」
ふむ、精気さえあれば食事は必要ないのか……まぁ、熱いものは俺も無理だけどな。
「精気はどうやって得るんだ?」
「今のわたしであればこうして触れているだけで得られる、主さまが自然に放出している精気だけで充分なのです」
ふ~ん単純に触れるだけでいいのか……ん?
「『今の』わたし?」
「はい、この先わたしが進化すればもう少し深い接触……その……口づけや…………その……せ、せいこ「わかったから言わなくていい」……ありがとうございます」
……ふぅ、八歳児になんてこと言わせかけてんだよ、俺は。でも真っ赤になって恥ずかしがる六花は可愛いな……。
《吸精》のプロセスから考えると《冷たい抱擁・劣》や《冷たい口づけ・劣》と併用するスキルみたいだな。……うん、吸精も俺以外には禁止だな。
「とりあえずキッチン、トイレ、風呂を作成して」
風呂は水風呂にすれば俺たちも入れるだろ。
ウィンドウを操作し6ポイントを消費してそれらを作ると、部屋が少し広くなりキッチンが出来、風呂とトイレに繋がっているとおぼしい扉が出来た。
見た感じ調理に必要な道具は揃っているな
次に食糧は…………。
そんなこんなで六花の意見を取り入れながら生活環境を整えると残りポイントは750ほど……結構使ったな。六花は俺の為になるものには妥協せず、自分の為の物は妙に遠慮するから強引に作ったけど……それが響いたかな?
まぁ、過ぎたことは仕方ない……女の子はおしゃれに気を使わないといけないしな。
畳とフローリングが半々になり広くなったた部屋の中、今度こそダンジョンを作り始める。
ウィンドウのダンジョンの項目をタッチすると、今見ているウィンドウとは別のウィンドウが開いた。どうやらダンジョン作成・編集にはダンジョンの簡易マップがある専用のウィンドウを用いるようだ。このマップをいじってダンジョンデザインをすればいいっぽい。
「とりあえず方針としては水・氷系のモンスターで固めるべきかな」
「ですね、主さまの称号の影響で強化されますから」
「となるとフィールドも水・氷系……河川、氷河、湿地帯、池、湖畔、海、氷洋、雪山……後半や氷系は消費ポイントが多くて無理だな」
ゲームでも氷系ダンジョンは難易度高めだから仕方ないか……。
「それなら湿地帯が良さそうなのです。河川は下地になる部屋が大きくなくては無理みたいですから」
「ああ、そういや部屋の大きさも決めないとな、小さな部屋を複数と少し大きい部屋でダンジョンを構成するか。
小さな部屋で侵入者を疲弊させつつ、この部屋の手前の大きい部屋で迎撃する感じで」
戦力の小出しは本来なら愚策だが、名無しモンスターは自動復活があるからあまり問題にならない。
ゲームのダンジョンを参考にすると初期ダンジョンはこんな感じだし、大きな部屋はさしずめボス部屋ってところだな。
「ですね……将来的には考え直す必要がありますが、今はそれでいいと思うのです」
「よし、そうときまれば……」
ダンジョン作成用ウィンドウに次々と条件を入力し、簡易マップをいじってダンジョンのデザインをし、出来上がったので決定キーをタッチ。
──200ポイント使用して20ポイント相当の部屋を10部屋、100ポイント使用して100ポイント相当の部屋を1部屋を作成、150ポイント使用して“フィールド変化:湿地帯”、10ポイント使用して地形変化をしますか?──
そうすると確認画面に切り替わり消費ポイントと完成予想図が表示される。
合計460ポイント……湿地帯は小川や沼なんかの複数の地形要素を含んでいる所為か少し割高だが……。
「よし、承認」
満足いく出来なので迷わす承認する。