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逃亡のち戦闘

「ニャア、ニャンニャア!」ダッ

 

「あ、おいっ」

 

 それを聞いた刹那は気にしないで、とでも言うような感じで鳴き、どこかに走って行った。

 

「とりあえず、六花と久遠は進化できる奴らに話を聞いて来てくれ。進化を希望する奴は俺の部屋(マスタールーム)に集合、俺は刹那を追いかける」

 

「はい、おまかせ下さい」

「クォン」

 

「水奈はついて来てくれ」

 

「……うん」

 

 

 水奈を連れてエクストラルームを出る……さて、刹那はどこに行ったんだ?

 ダンジョンに設置されている階層移動ポータルはダンジョン側の者だとどのポータルにも自由に移動できるので刹那がどこに行ったのかがまったくわからない。

 当てずっぽうで同じ場所には出れないだろうし……仕方ない。

 

「ダンジョンマップ機能及び位置情報検索機能を追加──承認」

 

 ダンジョン内の地図やモンスター分布、それに侵入者の位置を確認できる機能を身につけ、更に追加で人物を特定して位置を確認できる機能も追加する。ちなみに消費ポイントは合計で1350ポイントとかなりお高い。

 だが背に腹は代えられんし、今後も使える機能だからいいけどね。

 

 マップを呼び出して刹那の位置を確認すると、どうやら1層、それも2層エクストラルームの入り口になっている泉の近く。

 ……もしかしてダンジョンから出ようとしているのか? 1層……と言うかダンジョンの出入り口はポータルではなく、ここが一番出入り口に近いポータルだ。

 

「水奈、急ぐぞ」

 

「……うん」

 

 ダンジョンから出られると追い付くのが難しくなるので急いで追いかける。だが……、

 

 ──ブーブー

 侵入者が現れました。

 

 走り出したその時、侵入を告げるアラートが聞こえてきた。内部というメッセージがなかったから入り口から入った来たようだ。

 

 くそっ、タイミングの悪い。

 

 ──ブーブー

 ヒューマン2体を確認しました。

 

 ──詳細

 冒険者・剣士レベル24、傭兵・斧戦士レベル24。

 

 

 しかも人間でレベル高めかよ!

 マップを確認すると刹那は既に近くにいる。

 ……このままだとすぐにでも接触するな。

 

 

 

 

「ふむ、銀の体毛の猫とは珍しいな。馬鹿たちの足取りが掴めるかと思い来てみたが、思わぬ収穫だ」

 

「ニャッ!?」

 

 ダンジョンの入り口に到着するとやっぱりと言うべきか、既に刹那は侵入者と対峙していた……どころか剣を降り下ろされようとしている。

 

「行け、妖刀!」

 

 俺はその刃を刹那に届かせまいと腰に差していた妖刀を投げ侵入者の剣に向かって投げる。

 

「ふんっ」

 

 逆に妖刀を弾き飛ばされてしまったが、攻撃の手を止めるのには成功。

 

「ヒューマン……お前がダンジョンマスターか?」

 

「さてな。とりあえず、うちの娘に何してくれてんだ?」

 

 

 ナメられないように凄んでみるが……どうしよう?妖刀ぶん投げたから丸腰になっちまった。

 

「まぁいい、殺してみればわかる」

 

 なんつーか、物騒な奴だな。もし俺がダンジョンマスターじゃなくてモンスター使いの冒険者だったらどうするつもりなんだか……。

 

「おいおいちょっと待てよ、殺す前に聞いておこうぜ。2週間ほど前にこのあたりに遣った者が行方不明なのだが、に4人組の男に心当たりはないか?」

 

 剣士の男が剣を構えようとしたが、共に来ていた斧を持った男が止める。

 うん、後で殺すと宣言するってどう考えても人に物を尋ねる態度じゃないよな。

 

「侵入者なんていちいち覚えてなんていない……と言うか4人組なんて何組もいたからその情報だけでは特定なんてできんな」

 

 まぁ最初に侵入してきたアイツらの事だろうな。

 

「それもそうか……じゃあいいや、どうせダメ元だしな。それじゃあ聞きたいことも聞いたし……殺り合おうか」

 

「なんだよ、結局そっちの男はお前が取るのかよ」

 

「へへっ、悪いな」

 

「じゃあ、こっちのケット・シーと水精は俺がもらうぞ」

 

 そう言うと斧男は俺に向かって斧を構え、続いて剣士も剣を水奈と刹那に構える。

 

「水奈、刹那すぐに他のみんなが来るからそれまで耐えるんだ」

 

「ニャァ……」

「……ぅん」

 

 水奈達のレベルは17、2対1とはいえ7のレベル差では結構キツい。特に少人数でくる奴はだいたい同レベル帯でもステータスが高い奴なのでかなり厳しい。

 

「へっ、モンスターの心配よりも自分の心配をしてな。ま、どうせ死ぬから無駄だけど……なっ」ブンッ

 

 斧男が不意討ち気味に斧を振るい斬りかかってくるが、なんとか躱す。

 

「おいおい、避けてもいいのか?」

 

「なっ、まさかっ」

 

 躱した結果、俺と斧男の位置が入れ替わり、剣士の攻撃を凌いでいる水奈達に近付く。不意討ち気味だったのにステータスが低く、妖刀のアシストがない俺が躱せたのは……最初から俺じゃなくて二人を狙っていたのか?

 

「ま、そう言うことだ」

 

 そう言うと斧男は水奈たちに向かって斧を振りかぶるが、そうはさせまいと俺は斧男と水奈達の間に身体を割り込ませる。

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