ゆきんこ
初めてのモンスターらしいモンスター、それも人型だからこれでもかってくらいにカスタマイズした。どうせ傍におくなら一緒にいたいと思える人材がいいしな。
年齢が8歳になったのは仕方ない、ゆきんこは子供の妖怪なので8歳が上限だったからな。
決しては俺はロリコンではないので気をつけて欲しい……どっちかと言うとProject光源氏だ。
承認すると目の前に一人の黒髪の少女が現れた。
三角笠に昔話のモブキャラの着ているような粗雑な着物に赤い半纏……うん、正しくゆきんこだな。ただし仕様変更で本来ならおかっぱな髪型はロングストレートになっているが。
無事作成できたのでステータスを確認してみる
名前:
レベル:1
種族:雪女
性別:女
クラス:ゆきんこ
称号:《迷宮主の腹心》《マスコット》
スキル:《冷たいの抱擁・劣》《冷たい口づけ・劣》《吸精》《初級氷雪魔法》《フェードアウト》《幼児誘拐》《保護欲励起》《無邪気な微笑み》《氷属性吸収》
◆能力値
HP:80(+7)
MP:110(+7)
STR:8(+7)
SOL:7(+7)
INT:12(+7)
MIT:15(+7)
MIN:7(+7)
DEX:10(+7)
AGI:15(+7)
LUK:5(+7)
──▽称号詳細
《迷宮主の腹心》
ダンジョンマスターから最も信頼与えられた者に贈られる称号。全能力に5の追加補正が入る。
《マスコット》
愛らしい生き物に贈られる称号。味方は優先的に護りたくなり、敵であっても攻撃するのに躊躇いを感じるようになる。全能力に2の追加補正が入る。
──▽スキル詳細
《冷たい抱擁・劣》
相手を抱きしめることで防御力の1/4を無視して氷属性ダメージを与え、低確率で“凍傷”極低確率で“凍結”にする。
《冷たい口づけ・劣》
MPもしくはHPを消費して相手の口に冷気を吹き込むことで防御力を無視して氷属性ダメージを与え、低確率で“凍結”極低確率で“氷結”にする。
HPを消費した方が効果は高い。
《吸精》
相手のHP、MPを吸収し自らの力に変える。
《初級氷雪魔法》
MPを消費して氷属性の簡単な魔法を扱える。
《フェードアウト》
戦場から離脱するとき敵に気付かれにくくなる。
《幼児誘拐》
幼い子供を誘拐するときに成功率上昇。
《保護欲励起》
周囲の味方に護られやすくなる、主人には無効。
《無邪気な微笑み》
敵に攻撃を躊躇わせる。──
……あれ?
さっき本で見たのより称号とスキルが多いぞ。
……もしかして他の仕様変更で条件を満たせば能力が増えるのか?……まるで裏技だな。
しっかし、スキルはかなり多いな……もともとスキルの多いモンスターだったけど更に増えてやがる。
もともとあったのは《冷たい抱擁・劣》《冷たい口づけ・劣》《吸精》《初級氷雪魔法》《フェードアウト》《幼児誘拐》
これらはゆきんこや雪女の逸話に由来するスキルだな。そして《保護欲励起》《無邪気な微笑み》は新たに追加された称号、《氷属性吸収》は俺の称号《火を厭う者》に由来するスキルっぽいな。
「あ、あの……主さま……」
ゆきんこのステータスについて考察していると不安げな声が耳に届く。
おっと考えこみ過ぎたな。
「わたしでは……ご不満でしょうか……?」ビクビク
考え込んでいる最中は余程険しい表情していたのかゆきんこは跪いた姿勢で怯えている。
幼女に怯えられるのってめちゃくちゃ心が痛む……。って、傷ついている場合じゃないな、早く誤解を解かないと。
「いや、そんなことはない。顔を上げ……いや、跪くのはやめてもらえないか?」
出来るだけ優しい声でゆきんこに話しかける。
「お言葉はありがたいのですが配下としては……」
声を聞き安心したのか怯えは消えたが、礼儀正しく性格設定した所為か臣下の礼を崩さない。
……幼い子にこんな態度をとられるのはなぁ。
「いいから立ち上がりなさい」
ゆきんこに近づき腋に手を通し立ち上がらせ……そのままひっくり返して膝の上に乗せる。
「あ、あわわ、あ、主さま、ななな、何を……」
「子供がそんな気を使うな、最低限の礼儀さえわきまえていればいいから」ナデナデ
「ぁぅぅ……。
その……わかりましたから、離して……! ……は、早く離してください!」
あら残念、もう少しなでていたかったんだがな……けど何をそんなに焦る?
「あの……主さまは平気なのですか、わたしに触れても?」
「何がだ?」
「わたしのスキル《冷たい抱擁・劣》の影響があるはずなのですが……」
冷たいなとは思ってたけど、抱きしめるだけでなく抱きしめられても発動するの、そのスキル?
「俺には《火を厭う者》の影響で《氷属性吸収》のスキルがあるから問題ないぞ、お前にもあるだろ」
「あ、そうなのですか?
通りでわたしも溶けない筈です」
……え、人間相手に《冷たい抱擁》すると溶けるってこと?それそんな諸刃の剣なスキルなん?……あ、劣がついてるのはその辺りが理由かな……。
「……《冷たい抱擁・劣》……それに《冷たい口づけ・劣》は使用禁止な」
「ぁぅぅ、わかりました……」