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新たな配下

本日2話目です

 

 ウェアウルフの突撃先の河童の幻影……の更に先にあるのは魑魅魍魎に処分を任せた豚野郎の肉。魑魅魍魎の数は増えているが、量の関係でまだ処分しきれていないようだ。

 スッゴいヨダレを滴らしながら突撃してるから間違いないな。何日ろくに物を食べさせてもらってないんだろうか?  ……奴隷ってやっぱりこんな扱いなんだな……。

 

「グルル、ガァウッ!」

 

 河童たちはウェアウルフに吹き飛ばされ、六花と水奈と久遠は離れていたためウェアウルフを止められない。そして、ウェアウルフが肉に飛び付き喰らい付こうとしたその時、

 

「ニャアッ!」ザクッ

 

 

 いつの間にか部屋に戻って来た刹那が槍を一閃し、ウェアウルフの首を斬り落とした。

 なかなかおいしいタイミング帰って来たな……完全な不意討ちでクリティカルヒットなんて条件が重なったとはいえあと一撃で殺れるタイミングで帰ってくるとは。

 

 ──ウェアウルフを撃破しました、126ポイント入ります。

 

 おや、思ったほどポイントが入らんかったな。侵入してきた野生動物で一番強かったレベル5のクマでも100ポイント入ったのに。

 ……う~ん、マイナス効果のあるスキルや称号でもあったかな?

 そういうのがあるとポイントも少なくなるらしいし。……レベル11にしては弱かったしな、クマの方が強かった気もするし。

 

 ──犬型、斬首、極限の飢餓、食への無念の条件を満たしましたので0ポイント消費して犬神を作成できます。作成しますか?

 

 え~と、もしかしてダンジョン外の生き物は殺し方によってはこちら側に引き込む事が出来るってことか?

 ……いやでも、犬って……。あいつは狼だったはずなんだが、確かに犬型だけどさ……。

 まぁいいか、それより犬神か、確か犬神は憑き物だったな。きちんと運用できれば幸運をもたらし、しくじれば取り殺される、それを利用して他人に知らないうちに強制的に取り憑かせるなんて呪い方もあるとか。

 まあ直接俺に取り憑かせなければ害はないか、消費も0だし。

 承認、っと。

 

 作成を承認するとウェアウルフの死体が消え、半透明の狼が現れた。身体のサイズは縮んでいる。……と言うか子供化していて二足歩行でもなくなっているので子犬に見しか見えん。普通の子犬と違うのは半透明なのと浮いているくらいか?

 

「キャンッ」

 

 うん、鳴き声も子犬だな。

 

 まぁいいや、俺の知ってる犬神みたいに首だけでふわふわ浮かんでいられても困るしな。

 ステータスを確認してみると……う~ん、憑依系だけあって能力値はかなり低い、スキルに《実体化》ってあるからこれ発動してないと触れない……つまり攻撃できないみたいだし。そして《実体化》はMP消費で、しかもコスパが悪い。しばらくは憑依→殺害のコンボでレベル上げかな?

 

「よし犬神、早速だがお前の元主人に取り憑いて同士討ちを誘ってくれ」

 

「クゥン、キャンキャンッ」

 

 命令を出したが困ったような声をあげる。

 

「主さま、その子が言うには、まだレベルが低いので同性にしか取り憑けないそうです」

 

「……え、こいつメスなの?」

 

「はい、かわいい女の子ですよ」

 

 いきなり計画が頓挫したぞ、おい。……はぁ、冒険者に女は少なそうだし、ちまちまレベル上げしかないか……。

 憑依系が一鬼増えたのにな……。仕方ない、既に配置してある『あいつ』に期待するか。侵入者も内部探索してるから見つけてるだろうし。

 時間的にもうそろそろ来てもおかしくない。……って、人が来るなら顔隠した方がいいか。

 う~ん、仮面でいいかな? 木の仮面は脆そうだが、かと言って金属はポイントがもったいないないし、紙は論外。

 石の仮面にするか。

 

「石仮面を作成──承認」

 

 出来上がった仮面を手に取り眺める。

 う~ん、この仮面を見てるとなんか叫びたくなるな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『はやく人間になりた───い』って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれ、なんか違うような気がするけど……まぁいっか。

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