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烏天狗

「……ふぅ。まったく、小妖怪の皆さんは困ったものなのです」


 小鬼たちへの説教が終わった帰り道、六花が愚痴を溢した。


「小妖怪って言うと、さっきの小鬼や小河童か? 小鬼は大半が進化したけど」


「それと烏天狗さんたちもなのです」


 新入りの烏天狗はもう六花に説教されたのか。


「あいつらは何したんだ?」


「女人禁制と言って、この山への女性の立ち入りを禁止しようとしてました。女性の侵入者が来たときには次の階層に案内すらしていたのです」


 ……本気で何してんだよ。天狗って女が嫌いだったかな? むしろ女好きだったような気がするんだが……。

 と言うか、もしかしてこの層が突破されたのは烏天狗の所為か?

 ……って、待てよ。


「あれ? そういえば、精霊天馬って確か……」


「はい、女の子なのです。烏天狗の皆さんにのけ者にされていました」


 二度目だが、本気で何してんだよ。何でボスである精霊天馬をのけ者にするかな。


「その件で何度かお説教をしているのですが……毎回空へ逃げられてしまうのです。精霊天馬の背中に乗せていただいて追いかけても、バラバラに逃げますし」


 なるほど、これは俺が出張った方が良さそうな案件だな。


「撃ち落としていいのなら、氷柱つららをぶつけるのですけれど……」


 ……六花が物騒なことを言い出した。


「いっそのこと、吹雪でも起こして飛べなくすれば……。小規模で短時間ならなんとか起こすことができますし」


 かなり怒ってるな、コレは。本気で俺が出張った方が良さそうだ。……色んな意味で。


「ふぅ~ん、ちょっと調子に乗りすぎね。協力するわ、お姉様」


「いきなりどうした久遠?」


 なぜか久遠も六花の怒りに同調し、珍しく怒りをあらわにしている。


「侵入者を素通しだなんて職務に対する怠慢よ。お兄様の危機に繋がるからむしろ反逆に近いわ。

 狐の近縁の恥さらしよ」


 そういえば、天狗はアマキツネとも読んだっけ。なるほど、種として近いから許せないのか。「それに女人禁制もふざけているわね。いっそのこと、女性全員で攻めましょうか」


「それはいい考えなのです。ツムギさんやナデシコさん、それにツグミさんにも協力をお願いしましょう!

 わたしは皆さんに声をかけてきます」


 生まれたばかりでレベルが低いのに、一度進化しているボス格のツムギやナデシコが参戦したら勝ち目かないぞ。何より、高位妖怪な上に空が飛べる鵺のツグミがいるし。

 何気にうちのダンジョンって実力上位は女性陣が多いんだよな……。トップは鵺のツグミだし。


「ならわたしは、一本踏鞴と百々眼鬼に何かいい道具がないか聞いておくわ。彼女たちは戦いに向いてないけど、女のプライドがあるでしょうから」


 更に道具で実力の底上げか……。久遠ちゃん容赦ないッス。

 うん、烏天狗たち死んだなこれは。

女性は迂闊に敵に回すと怖いです。

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