畑≠自然
すみません、昨日は力尽きていて遅れました。
ほんの一・二時間だけ寝るつもりが、一二時間と・が無くなっとりました。
「あの娘もあの娘で、命のストックが作れると思うわ」
「『猫に九生あり』とか『猫には命が七つある』とか、そういう話か?」
妖怪でなくても猫には、死ににくく命を複数持っている、という話がある。ちなみに、『好奇心は猫をも殺す』という言葉はそんな猫ですら死んでしまうほど、好奇心は危険だという意味らしい。
「あとは『猫は毛皮を変えて帰ってくる』なんて話もあるわね」
そっちは大事に飼われていた飼い猫は、死んでも別の猫に生まれ変わって、また元の飼い主にところに帰ってくる、って意味だったか。
「それにあの娘は仙術を会得しているから、他にも魂に関する術を持っているかもね」
「なるほど、ならちょっと聞いてみるか。刹那がどこにいるか知らないか?」
アイテムにはならないと思うが、凶骨関係で魂にまつわる話は調べておきたい。精霊天馬が姫を迎えに行くときの参考になるかもしれない。
「仙術をきちんと使えるようになりたいから自然の多い場所で訓練しているとは思うけど……」
仙術は周囲の自然が発する気というのを取り入れるスキルなので、自然が多い場所ほど効果が高い。訓練するなら、やはり自然の多い場所になる。……が、
「該当箇所が多すぎるな」
マスタールーム周辺と火山、鉱山内部に雪原を除けば全部だ。正確には火山や鉱山、雪山にも気はあるらしいが、気の種類が違うのか勝手が違うらしく、今の刹那では扱えないらしい。
「もしかしたら畑の辺りかも。山とか森だと気が多すぎて、仙術を制御しきれない、って言っていたから」
「畑? ……まぁ、自然ではないか」
人……と言うか、コロポックルの手が加えられているので、厳密には自然ではないな。自然の性質を持った人工施設だ。制御訓練ならばそれくらいがちょうどいいのかもしれない。
「なら畑に行ってみるか。コロポックルたちに薬草の栽培を指示もしないといけないし。久遠も行くか?」
「そうね、私もちょっと興味があるから行くわ。錬丹術の、特に殺生石の参考になるかもしれないし」
魂を扱う技術なら確か参考になるかもしれないな。