表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
138/163

白銅金

 それにしても、上がチョロインで下がアホの子か……間に挟まれた百々眼鬼も何か面倒な属性でも持っているのかな? せめて、この娘だけでもまともならいいんだが……。

 あと、どうでもいいけど、百々眼鬼って水奈としゃべり方が少し似てるよな。


「……なに? あまりじっと見られると、照れちゃう」


「あ、いや……え~と」


 一本踏鞴が鉱脈を見ている間に考えているうちに、つい百々眼鬼の方ばかり見ていたようだ。

 目の妖怪だから視線に敏感なのかな?


「さっき詰まんでしまった目は大丈夫か?」


「……ん、大丈夫。まだちょっと痛いけど、支障はない」


 正直に言うのは多少気恥ずかしいものがあるのでごまかしたら、百々眼鬼は頬の目をまばたきさせて、大丈夫とアピール。見た目には傷は付いていないな。

「そういえば、お前は鉱物の鑑定はできないのか?」


「……無理かな。加工したあとなできるけど、素材だと無理。……せいぜい、物体としての良し悪しくらい」


「品質鑑定ができるなら、それはそれで有用じゃないか?」


「……それも、結局は知識を蓄積しないと使い物にならない」


「ああ、なるほど。その目で違いはわかるけど、違いが何を意味してるかは知識がないからできないのか」


「……そう。装飾品なんかは、種族能力で知識が予めあるけど」


 ふむ、それだと、百々眼鬼は細工だけじゃなくて、色んな知識を与えた方がいいかな。


「ごっ主人~。なんとなくだけど、採れるものがわかったよ」


「ご苦労様。それで何が採れるんだ?」


 そうこう話しているうちに、一本踏鞴が帰ってきた。

 機嫌が良さそうだから、期待していいのかな?


「色んな金属が採れるよ。鉄や銅はもちろん、少しだけど金や銀なんかも。それに白銅金も採れるよ」


「金や銀は宝飾品としてならともかく、ダンジョンの戦力強化に使えるのか? それに、白銅金って何だ?」


 侵入者を呼び込むには使えそうだけど、今はそれよりも戦力強化に努めたい。

 あと、白銅金については何なのかすらわからない。白銅ならわかるんだけど。


「金や銀はそのままだと飾りにしか使えないけど、錬金術で上位の金属に昇華できるんだよ……たぶん今はまだ無理だろうけどね」


 錬金術で昇華ね……いずれできるようになったときの為に貯めとけばいいか。


「白銅金は銅と混ぜると白銅になる金属だよ。これがあれば錆びない鉄が作れるの」


「ほう、喜んでるのはその白銅金が理由か」


「うん、腕がなるよ~」


 さっきまでのアホっぷりが嘘のように溌剌とした感じになる一本踏鞴。こいつは鍛冶仕事さえさせておけば、子河童と違って安全そうだ。


 ところで、この金属って一つの鉱山で採れるような物だったけ?

白銅金はニッケルのことです。和名が存在しないので、無理矢理あてはめました。……これに限らずどの金属も、現実にはやらない・できない使い方をするので、正確にはそれっぽい金属ですけど。

また、本文中の金属が同じ鉱山で採れるのは明らかにおかしいのですが、ダンジョンということで、ご容赦ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ