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「ふう、顔の腫れは治まってきたのです。でも、まだ少し残っているので、しばらくはこの氷で冷やしてください」


「うん、みんなアリガトね。

 うう~、ひどい目に遭ったよ」


 六花たちから治療を受け、強打してできた顔の腫れ引いたところで一本踏鞴は元気よく立ち上がった。


「でも久遠さんがいるなら、多少の無茶もできそうだね」


「今は幻覚で痛みや痺れを感じなくなっているだけで、肉体は傷付いているのだから、無理はダメよ。あと、やり過ぎると身体によくないから、あまり多用しない方がいいの。いつも痛みを消してもらえると思わないことね」


 痛みも痺れも感じないためか、ピョンピョン跳ね回る一本踏鞴に久遠が注意する。

 身体に悪影響か……罠に使えそうだな。痛みや痺れは危険信号みたいなものだから、あえてそれを感じなくさせれば……。


「ひゃーっほぉ~!」


 それはそれとして、一本踏鞴は調子に乗りやすい性格っぽいな。

 痛みを感じなくなったからか、久遠の注意もロクに聞かず、限界以上の力でねていている。


「聞きなさい!」


「あぎゃ~っ!?」


 その結果、久遠にいきなり幻覚を解かれ、ぶり返した痺れで着地に失敗。今度は顔面を強打しなかったものの、足に蓄積していた痛みで再びのたうちまわることになった。

 あまりにアホ過ぎるので今度は誰も駆け寄らない。

 ……こいつはアレだな、子河童と同じジャンルだ。喉元過ぎれば熱さ忘れるにしても早すぎると思う。


「バカやってないで、早く鉱脈を見てこい」


 そう考えると、とたんに扱いが雑になってしまうが、仕方ない。おそらく、ここにいるほぼ全員が同じ気持ちだろう。


「いや、足が……足がぁ~」


「……はぁ、久遠。適度に痛みを残す幻覚はいけるか?」


「……できなくはないけど、少し面倒よ」


「すまないが、頼む」


「……はぁ、仕方ないわね」


 久遠には悪いが、鉱脈の様子を確かめることができるのは現状では一本踏鞴だけなので、再び幻覚を……今度は少し調整してかけてもらう。


「あ、アリガト……」


「次はないわよ」


「は、はい……」


「それじゃあ早く確かめに行きなさい」


「は、はいぃ~!」


 また同じことを繰り返しのが嫌なのか、釘を刺す久遠。一本踏鞴は六花に続いて、久遠にも頭が上がらなくなったようだ。

 その証拠に、久遠に命令された一本踏鞴は、多少痛みが残る足で鉱脈があるであろう場所まで急いで跳んで行った。

 ふう、これでやっと鉱脈の確認ができる。


アホの子が追加されました。

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