弱体化
すみません、遅くなった上に短いです。
「ヒヒィーン」
妖怪になったことで、一角天馬改め、精霊天馬の声を聞き取れるようになった。どうでもいいけど、コイツは牝馬だったのか。
「まぁ、待て。
ステータス確認、精霊天馬」
さっそく、凶骨の想い人である亡き姫の魂を探しに外へ行こうとしたが、それを止めてステータスを確認する。
「やっぱりダメだな」
「ヒン!?」
「どうしてと言われてもだな、お前は生まれ変わったことで、ひどく弱体化している。今は生まれたての赤ん坊のようなものだ」
まぁ、種族の所為か、レベルボーナスの所為かは知らんが、レベル1にしてはかなりのステータスだけど。特に、敏捷《AGI》に関しては、破格と表現してもいいくらいに。
「弱体化そのものも問題だが、弱体化したことにより、身体を動かす感覚が違っているハズだ。しばらくは慣らしが必要だろう。
以前の感覚でいると、死ぬぞ」
これは《魔人化:ぬらりひょん》を使ったときの経験則。強化と弱体化でベクトルが逆だが、急激なステータス変化という点は同じだ。
あのときは火事場の馬鹿力が働いたのか、なんとか動けたけど、よくよく思い返してみたら、動きがかなり単調になっていた。身体の動きに感覚が追い付いていなかったのだ。
弱体化の場合はその逆、感覚に身体が追い付いていかないだろう。
「ヒン……」
「とりあえず、お前は優先して出してやるから、そう落ち込むな」
ゼンが天雷虎になったことで少し落ち着いたから、雷ヶ原は少し頻度を下げた方がいいだろうしな。わりとオーバーワーク気味だったし。
精霊天馬の配置はどこがいいかな。雷ヶ原はなしで、火山と雪原もピンと来ない。
残るは湿地帯と森だが、森……いや、それだと飛行能力が活かし切れない。もったいないかから、いっそのこと階層を増やすか。
飛行能力が活かすことができるのは……山かな。配下も飛行能力持ちの妖怪で固めればいいだろう。
ちょうど良さげな妖怪は……烏天狗だな。